AKB48、霜降り明星との交流の中で開花するバラエティの才能 “ネクスト渋谷凪咲”となるメンバーは現れるか

 AKB48の冠番組『AKB48 サヨナラ毛利さん』(日本テレビ系)がスタートして、約3カ月。大盛真歩と他のメンバーがAKB48愛を競う「大盛真歩にAKB48愛で勝ったら1000円!ただし負けたらマイナス1000円!」など、視聴者になじみやすい企画で楽しませる一方、そういったなかでのAKB48のメンバーとMCを務める霜降り明星のやりとりもおもしろく鑑賞することができている印象だ。

 特に、霜降り明星のふたりのメンバーへの接し方が良い。ふたりは、『ラストアイドル〜ラスアイ、よろしく!〜』(テレビ朝日系)でアイドル番組の司会を経験。そのときは、メンバーの名前をしっかり覚えてから初回放送に臨んだという。ただ今回の『サヨナラ毛利さん』は、第1回放送の企画が、メンバーのなかにニセメンバーが紛れ込んでいるのを霜降り明星が見破る「お前、絶対AKB48じゃないよね?」だったこともあり、スタッフから「前情報は入れないでほしい」と言われていたそうだ。

 しかし霜降り明星は、初回放送以降、メンバーの名前と顔を覚えるために奮闘していたよう。村山彩希、篠崎彩奈は「17LIVE」の配信のなかでも、霜降り明星について「すごく優しい」と絶賛。「『AKBINGO!』(日本テレビ系)に出ていないメンバーもTwitterをフォローしてくれて、収録の合間の時間もメンバーの名前を一人ずつ呼んでくれたり、座席表を写真に撮って帰ったり」と、メンバーについて知ろうと努力する姿に感激したそうだ。

粗品が語ったAKB48メンバーとの距離感

那須川天心・がーどまん・なにわ男子大橋くん・入学式・AKB48・フォーエイトさん・教習所・劇場合間の話

 たしかに番組を観ていても、メンバーの愛称で呼んだりするなどして着実に距離を縮めているように見える。真摯に番組に取り組む姿勢が感じられ、好感度は増すばかりだ。ただ粗品は毒舌家で悪態をつくのが芸風でもあることから、自身のYouTubeチャンネル『粗品 Official Channel』の4月11日配信回では、「アイドル番組のMCをする芸人って、『そういう目で見ないでほしい』というのがあるじゃないですか。そういうのって恋愛系が多いと思うんです。でも僕はカネです。そういう目で見ています。あいつ、歳が若いからメンバーに手を出すんちゃうんって心配がられるかもしれないけど、そこはご安心ください。カネではそういう目で見ています。誰かカネを貸してくれるんじゃないかって、楽しみです」とギャンブル好きでカネの話が好きな彼らしい言い回しで番組をアピールした。

 そんな霜降り明星は、メンバーのことをニックネームで呼びながら番組を進行。ちなみにふたりの年齢は現在、多くのメンバーの同じ20代(29歳)である。年齢がそれほど離れていないこともあって、そのニックネーム呼びは、同級生や少し上の先輩のような雰囲気がある。粗品は、初回収録後のオフィシャルコメントで「よくアイドル番組のMCを『公式お兄ちゃん』とか言うじゃないですか。それより自分もがんばらな(アカン)的な、ライバルに近い感じでした」(※1)と語っていたが、「ライバル」という捉え方も、世代の近さからくるものではないだろうか。霜降り明星はAKB48にとって、「公式お兄ちゃん」ならぬ「公式ライバル」的な存在なのかもしれない。

 ちなみに「公式お兄ちゃん」として有名なのは、乃木坂46にとってのバナナマンである。『乃木坂って、どこ?』『乃木坂工事中』(ともにテレビ東京系)で10年以上にわたる付き合いであることから、信頼も込めてそう呼ばれるようになった。たしかに『乃木坂工事中』を観ていても、「さすが良く分かってる」という場面ばかりである。たとえば7月10日・17日放送回「キメ顔グランプリ」でも、メンバーが繰り出すキメ顔の特徴やタイミングをよく把握してコメント。「シンクロニシティ」での梅澤美波のパフォーマンスを見ながら、設楽統が「ここは、こうでしょ」と同じ振付をしたり、梅澤以外のメンバーが顔を下げているフォーメンションについて「あそこは(梅澤が)キメるしかないもんね」とうなずいたり、乃木坂46のライブを何度も鑑賞してきたからこその発言が続いた。まさに「公式お兄ちゃん」らしい理解度である。

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