新譜連載「本日、フラゲ日!」

NiziU、工藤静香、UVERworld、カーリングシトーンズ、花澤香菜……7月20日リリースの新譜5作をレビュー

カーリングシトーンズ『Tumbling Ice』

 寺岡シトーン(寺岡呼人)、奥田シトーン(奥田民生)、斉藤シトーン(斉藤和義)、浜崎シトーン(浜崎貴司)、 キングシトーン(YO-KING)、トータスシトーン(トータス松本)によるバンド、カーリングシトーンズ。てっきり1作だけ、そしてワンツアーだけのプロジェクトかと思っていたら、まさかの2ndアルバムが届けられた。古き良きロックンロール、ブルース、ハードロック、フォークなどに根差した楽曲を気の置けない仲間とワイワイ楽しく演奏するというのがこのバンドの在り方だと思うが、そこは長年に渡ってトップを張り続ける6人だけあり、“うわ、やば”、“かっこいい……”と唸ってしまう楽曲ばかり。リラックスした自然体と際立ったミュージシャンシップの対比を含め、“こんな大人になりたい(なりたかった)”と羨望してしまう充実作である。(森)

カーリングシトーンズ 「ソラーレ」 MV

花澤香菜『駆け引きはポーカーフェイス』

 表題曲は、花澤香菜も主人公の友人役で参加しているテレビアニメ『それでも歩は寄せてくる』(TBS系)のオープニングテーマ。この曲には、アニメのテーマとなっている“将棋”や“駆け引き”を想起させるフレーズが随所に散りばめられており、花澤の唯一無二な声によって歌われることで、アニメの物語に優しく寄り添う主題歌として成立している。歌手としてのアイデンティティを全面に打ち出すのではなく、だからと言って、完全なキャラクターソングに傾倒することもない。演出や脚本、もしくは声優としての演技とは異なるパースからアニメの世界に奥行きを与え、その物語を鮮やかに彩る。花澤が歌うアニメ主題歌は、そうした美しいバランスの上に成立しており、それは今年アーティスト活動11年目に突入した彼女のシンガーとしてのプロフェッショナリズムなのだろう。カップリングとして収録されている疾走感溢れる爽やかなポップナンバー「運命の扉」も素晴らしい。(松本)

花澤香菜「駆け引きはポーカーフェイス」Music Video

関連記事