RAISE A SUILEN×Morfonica、個性の衝突と融和が生んだ極上のステージ 感情揺さぶるツーマンライブを観て

RAS×Morfonica、ツーマンライブレポ

 RAISE A SUILENとMorfonicaによるツーマンライブ『Mythology Chapter 2』が6月18日、富士急ハイランド・コニファーフォレストにて開催された。2組によるツーマンライブは、『BanG Dream! 9th☆LIVE』の一環として昨年9月に同会場で行われて以来のこと。次世代ガールズバンドプロジェクト『BanG Dream!(バンドリ!)』から生まれた2組だが、コンテンツ内より先にリアルバンドとしての活動からスタートしたRAISE A SUILEN(以下、RAS)と、『バンドリ!』発のリアルバンドとしてはもっとも後発のMorfonicaは、音楽性こそ若干の違いがあるものの、シンパシーを覚える点がいくつも存在するように筆者は感じており、だからこそこの2組が再びコニファーフォレストという大舞台で共演するのは、ある意味では必然だとも確信していた。

Morfonica

 当日はあいにくの雨。そんな悪天候にも負けず、トップバッターのMorfonicaはAyasa(Vn./八潮瑠唯役)が奏でるバイオリンソロからスタート。クラシカルな音色を響かせるバイオリンに直田姫奈(Gt./桐ヶ谷透子役)、西尾夕香(Ba./広町七深役)、mika(Dr./二葉つくし役)が加わり、そのまま壮大なインストゥルメンタル演奏を展開していく。Morfonicaにとって初めての試みながら、ツーマンライブにおけるこの掴みは成功といえるのではないだろうか。最後に進藤あまね(Vo./倉田ましろ役)が加わり、「ごきげんよう、Morfonicaです」を合図に「ブルームブルーム」でライブを本格的に開始。ライブを重ねるごとにフロントに立つ者としての存在感と説得力が増し続けている進藤のボーカルと、バンドとしての一体感もますます強まっていることが伝わる演奏からは、確実に前回の『Mythology』からの成長が伝わるものだった。また、優雅な演奏の合間には笑みを浮かべながら、メンバー同士でアイコンタクトを取る余裕も見受けられ、デビューから2年という短期間で今も急成長を続けていることが窺えた。

進藤あまね
直田姫奈
西尾夕香
Ayasa
mika
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進藤あまね
直田姫奈
西尾夕香
Ayasa
mika
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 透明感の強い歌声と流麗なバイオリンの音色を軸に、「ハーモニー・デイ」や「Secret Dawn」といった大きなノリを持つ楽曲を次々と繰り出していくMorfonica。そんな彼女たちの演奏において、安定感の強いmikaのドラムと、うねるようなグルーヴとメロディを共存させる西尾のベース、歪み系とクリーントーンを巧みに使い分ける直田のギターサウンドも非常に重要な存在であることは、この日のライブを観れば一目瞭然。コロナ禍デビューというハードルをものともせず、階段を数段跳びで進んでいくその姿は感動的ですらある。

 この日はスマホゲーム『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』ではすでにお馴染みの「One step at a time」をライブ初披露。小気味良いハンドクラップで一体感を高めてから曲に突入する幸福感の強い曲調と、Bメロに直田のソロ歌唱パートも用意されるなど聴きどころも多く、今後のライブにおける新たなアンセムになるであろうことは想像に難しくない。9月14日リリースの5thシングルには同曲も収録される予定なので、今回ライブを見逃した方はぜひこちらも楽しみにしておいてもらいたい。

 ライブ後半は“カッコいいMorfonica”と銘打って、「unravel」「V.I.P」「Nevereverland」といったカバー曲を連発。オリジナル曲とは異なるワイルドさが伝わるこれらの楽曲は、今回のライブでも良いアクセントとなり、強く打ち続ける冷たい雨を忘れさせるほどの熱狂ぶりを繰り広げた。さらに、間髪入れずにドラマチックな「fly with the night」へとなだれ込み、ラストナンバー「flame of hope」ではギターとバイオリンのバトルパートも用意。エモーショナルさが頂点に達したところでMorfonicaのライブパートは終了した。

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