モーニング娘。'22森戸知沙希&加賀楓&横山玲奈

モーニング娘。'22 森戸知沙希、卒業直前インタビュー 加賀楓&横山玲奈と振り返る“人との関わり”から得た成長の日々

加賀楓&横山玲奈から見た、森戸知沙希の変化

──これまでの約7年半の活動を通じて、森戸さんが得た一番大きなものはなんだったと思いますか?

森戸:それはたぶん、人との関わりだと思います。最初はカントリー・ガールズとしてデビューして、途中でモーニング娘。との兼任になったので、そこでいろんな人たちと関わる場面が増えたというか。そのことが、自分の成長にとって一番大きかったんじゃないかなと思いますね。

──その成長を実感した瞬間はありました?

森戸:自分で「成長した」とはちょっと言いにくいんですけど(笑)、コロナ禍の自粛明けくらいのときですね。コロナ禍以前は毎日のようにメンバーと一緒にいて、それが当たり前だったんです。しかも人数が多いから、1日の中で「おはようございます」しか言葉を交わさないメンバーがいるのも普通のことだったし、それを気にもしていませんでした。それが、なかなか会えなくなった途端に「すごくもったいないことをしていた」と感じるようになって、「もっと積極的にコミュニケーションを取れる人でいたほうがよかったな」と後悔したんです。それで、活動が徐々に元のペースに戻り始めたくらいの時期から「メンバー全員とまんべんなく話をしよう」と心がけるようになって。そんなふうに行動を意識的に変えられるようになったことが、自分の中では大きな変化のひとつかなと思っています。

加賀:それは私も見ていて感じましたね。メンバーとあまり会えなかった期間を越えてから、森戸さんはだいぶ変わったなと。

横山:たしかに。自粛が明けて……。

森戸:うるさくなった?

横山:うるさくなったかもしれない(笑)。

加賀:(笑)。でも、それはすごいことだなと思います。やっぱりこれだけメンバーの人数が多いと、話す相手がついつい偏ったりしがちじゃないですか。そこを「まんべんなくみんなと話そう」というふうに、しかも意識的に持っていけるというのは本当にすごい。自分だったら絶対にできないですよ。

森戸:またそういうことを(笑)。

横山:とくに森戸さんの場合は人見知りという印象が強かったから、真逆のことをしているわけじゃないですか。最近も楽屋とかで本当にみんなと仲良くしゃべっているから、すごく楽しいなって思います。

──その意識の変化は、留学先でも活きそうですね。

森戸:そうですね、がんばりたいです。

森戸さんはモーニング娘。のバランサー

──加賀さんと横山さんのお2人から見て、森戸さんはモーニング娘。にとってどんな存在でした?

加賀:バランサーですね。今の話にあった「みんなとまんべんなくしゃべる」という方向に目を向けた時点で、モーニング娘。のバランスを取ってくれる人に自然となっていってくれた気がします。そういうタイプの人って、これ見よがしではなくナチュラルにバランスを取るから、普段の生活の中ではなかなか気づきにくい。だからたぶん、いなくなってから森戸さんのすごさに改めて気づかされるんじゃないかと思っているんです。そういう意味では、今後がちょっと怖いですね。

──優れたボランチほど存在感を消すって言いますしね。いなくなって初めてありがたみがわかるという。

横山:たしかに。あと、森戸さんはパフォーマンス面でも刺激をくれた人ですね。カントリー・ガールズというグループで培ってきた表現力だったり、“かわいさ”というエッセンスをモーニング娘。に注入してくれた。年齢的にも近いメンバーが多いので、「負けてられないな」と刺激されたメンバーは多かったと思います。そういう部分もありつつ、メンバー間のバランスはしっかり取ってくれていたので、すごい存在だったなと思っていますね。

──ご自身では、メンバー間のバランスを取っている自覚はあるんですか?

森戸:ないです。私は何もしてないです。

横山:天性のボランチなんで。

──なるほど(笑)。では、森戸さんがモーニング娘。の中で自分の存在意義を感じられたのはどういう場面でした?

森戸:感じたことはないです(笑)。

横山:いつもこう言うんですよ!

──逆に言うと、「ここに自分がいていいのかな?」みたいな気持ちもないですよね?

森戸:いえ、ずっとありました。やっぱり、モーニング娘。のオーディションを受けたときに正式に「合格です」と言われて入ったわけじゃなかったので。兼任という形で急に入ったから「いいのかな?」ってずっと心の中で思っていて、それはずっと消えなかったですね。今もそれが完全になくなったわけではないんですけど、入りたての頃よりは「モーニング娘。に入れてよかった」という気持ちが大きくなっているのもたしかです。そこはみんなのおかげだなと思っていますね。

モーニング娘。とは愛である

──そして、いよいよ卒業コンサートが間近に迫っています。(取材は5月下旬に実施)現在どんな心境でいますか?

森戸:まだ実感は湧いていなくて、雰囲気をちょっと感じているくらいです。ただ、歴代の先輩たちの卒業コンサートでは、皆さんすっごくキラキラしていて、魔法がかかったように一番美しい姿で卒業されていっているので、自分もそうできたらいいなと思うんですけど。とりあえず今は「今できることをやろう」「準備をしっかりしよう」というだけですね。メンバーと過ごす時間を最後までしっかり楽しみたいと思います。

加賀:去年の佐藤さんの卒業コンサートは単発の公演だったんですけど、今回はツアーを経ての千秋楽になるので、この森戸さんの卒業スペシャルという公演をツアーの中でもとくに特別なものにしたいですね。

横山:とにかく何事もなく、ちゃんと13人そろった状態でできればいいなって。13人で、思い出に残る最高の公演にしたいです。

──ちょっと話は逸れますけど、Juice=Juiceの稲場愛香さんがほぼ同時期の卒業ということになりましたよね。森戸さんとしては、稲場さんの卒業にも特別な思いがあるんじゃないでしょうか。

森戸:そうですね。まさかこんなにも卒業の時期が近くなるとは……という不思議な感じではあるんですけど。最初に自分がカントリー・ガールズに加入したときの同期なので、やっぱり思い入れはありますよね。愛香ちゃんは一度卒業してからハロプロ研修生北海道を経てJuice=Juiceで復帰するっていう、かなり大変な道のりを歩んできた人なので、本当にがんばっていたなと思います。とにかく今は「お疲れさま」と言いたいですね。

──では最後の質問です。「森戸知沙希にとってモーニング娘。とは?」をひと言でお願いします。

森戸:ひと言で!? そうですね……ええと、「愛」で!

──「モーニング娘。とは愛である」と。

森戸:ずっとモーニング娘。が好きだったし、これからもずっと好きなので。中学生くらいの頃からずっと憧れの存在でした。今でもその中に自分がいることが信じられないというか、不思議な気持ちがあるんです。たぶん卒業したあとも、「自分があの中にいたんだ」って不思議に思うんだろうなって。いろいろ貴重な経験をさせてもらえた場所であり、いろいろな人に出会えた場所でもあって、今の自分ができたのはモーニング娘。のおかげだなと思っています。私の人生において、すごく大事な時間でした。

加賀:卒業後も、たぶん頻繁に電話するので。たとえ森戸さんのいるところが時差で深夜だったとしても電話はしますので、ぜひ出ていただければなと。

森戸:はい(笑)。

横山:森戸さんも寂しくなったときはいつでもSOSを出してほしいです。1年半は長いなと思うけど、また再会したときにどうなっているのかを楽しみに待っているので、がんばってほしいなと思います!

森戸:がんばります。

モーニング娘。'22 オフィシャルサイト

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