5月31日をもって約5年にわたる活動に終止符を打つラストアイドルが、29日に東京ガーデンシアターでラストライブを開催した。

　昼夜2公演、計6時間余りでラスアイの全楽曲をパフォーマンスしていく、グループにとっての集大成となるラストコンサート。昼の部はダンサブルでクールな楽曲を中心とした「LAST DANCE」、夜の部は王道のアイドルソングや元気で楽しい楽曲の「LAST SMILE」といったコンセプトだ。もちろんそのようなセットリストの構成になっているのだが、2部合わせて一つのコンサートという捉え方もでき、そうすることで“ダンス”と“スマイル”というグループ自体が最後に見せたかった大きなテーマが浮かび上がってくる。

　ラスアイを代表するダンス曲は、阿部菜々実が挙げていたように「大人サバイバー」「青春トレイン」の2曲になるだろう。歩く芸術の演目を踏襲したフォーメーションダンスの「大人サバイバー」に、振付師 akaneを指導に迎えたラスアイ史上最高難度のダンス「青春トレイン」。こうしたグループにとっての代表曲は昼夜の両公演で披露されている。だが、「私たちも全力でぶつけるので、全力で返してきてください」と阿部がフロアを扇動した夜公演の「青春トレイン」は、やはり気迫が段違いだった。はっきり言ってしまえば、次にもう1公演がある昼と、これが正真正銘のラストの夜とでは、メンバーの思い、それに呼応した会場の空気はやはり異なる。しかし、昼公演にはファンから自然発生的に手拍子が起こった「鼓動の理由」や1期生メンバーがワイルドな表情を見せる「Stupidにもなれずに…」、メンバーからの人気も高い妖艶な雰囲気の「悪魔のディール」といったダンス曲が含まれており、筆者としてはつんく♂プロデュースの難曲「夜中 動画ばかり見てる…」（ダンス曲というよりかボーカル曲ではあるが）はここに特筆しておきたい名曲に数えられる1曲である。