完結迎えるアニメ『五等分の花嫁』、主題歌やキャラクターソングが伝えてきた“中野家の五つ子“の思い
第2期放送後は『「五等分の花嫁∬」 キャラクターソング・ミニアルバム』がリリースされ、五つ子の調和を保ちたいと思いながらも、風太郎への思いが止まらないそれぞれの様子が楽曲に表れた。一花の「きづいてよ~One Love~」は柔らかなポップナンバーで、〈Doki Doki Doki Doki〉とラップ調で歌うパートがポイント。二乃の「好きよ~Two Hearts~」は、好きと嫌いの両方の気持ちが入り交じった二乃の切ない思いが表現された。三玖の「君が好き~Three Feelings~」は、風太郎に対する尊敬と感謝、そして好きという気持ちを、ポップでおしゃれなサウンドに乗せて歌った。四葉の「内緒の恋~Love Four U~」は、ポエトリーリーディングと歌で表現された楽曲。前述の「ハートのカタチ~四つ葉のClover~」とリンクする部分や、〈欲しいもの もらったよ〉という名シーンのセリフも登場する。そして五月の「トクベツなひと~Lesson Five~」は、アッパーなロックチューン。歌詞は五月の口調と同じですます調で、五つ子の関係と母親に対する憧れ、そして風太郎への揺れる思いがまっすぐ歌われた。
テレビシリーズでは林間学校や修学旅行などを経て、五つ子それぞれの思いが描かれたが、映画では5人の思いを受けて、いよいよ文化祭で風太郎がある思いを告げる。映画『五等分の花嫁』主題歌「五等分の軌跡」は、これまでのオープニングテーマ同様に5人の語りから始まるものの、どこか胸を締め付けるような切ない思いに溢れている。〈光を求め咲いてる この恋は恋は恋は恋はどこまで〉というフレーズは、〈恋は〉が4回なのがポイント。またDメロも一花の〈君の前だと演技も〉など、姉妹のキャラクターに沿ったワンフレーズを歌い繋いでいくが、4人分しかない。「五等分の軌跡」は、誰か1人が選ばれたとしても風太郎への思いは変わらないという、4人の切ない思いが表れているのかもしれない。
同様に映画のエンディングテーマ「五等分の花嫁 ~ありがとうの花~」は、風太郎に対する姉妹の感謝の気持ちがストレートに歌われた。アニメ放送開始から約4年、ずっと応援してきたファンへの気持ちとも重ねることができ、完結することへのもの悲しさに、目頭を熱くしたファンも多いことだろう。
ほかにも「ごぶんのいち」や「はつこい」などキャラクターソングは数多く、エピソードや物語の進展に合わせた歌詞が人気で、多くの歌詞を、歌手/作詞家/声優である結城アイラが担当。5人の声優による演じながらの歌唱はどれも聴き応えがあり、作品に対する愛情とキャラクターの心情を見事に捉えた表現には脱帽だ。テレビシリーズは映像配信サイトでも視聴可能なほか、楽曲は各配信サイトで聴くことができる。ついに完結する『五等分の花嫁』、ここに至るまでの軌跡を音楽で辿ってから楽しむのも良いかもしれない。