JO1、『KIZUNA』にも表れたグループ内の役割の変化 デビュー3年目の11人の成長

JO1|'With Us' Official MV

 ボーカルラインとして活躍していた金城碧海は、今もなお特徴のある歌声が楽曲のスパイスとなっている。だがそれにとどまらず、昨今ではラップパートも担当するように。「With Us」や「Walk It Like I Talk It」でもエッジの効いた声でラップを披露。器用さを見せ、役割の幅を広げている。

 また、ダンスに強みがあった大平祥生もラッパーとして活躍を見せるようになってきたメンバーだ。かわいらしい容姿とギャップのある低めの声は、彼の大きな武器。それを磨き、各曲でラップを披露したり、ステージ上でコール&レスポンスをして観客を煽ったりとエネルギッシュなパフォーマンスを見せてくれている。大平はどことなく欧米ラッパーの流れを感じるフロウの刻み方で、他のメンバーとの差別化にも成功しているのではないだろうか。

 そのラップラインと言えば、木全は欠かせない。JO1のメンバーになってから初めてラップに挑戦した彼だが、今や完全に板についている。フロウの刻み方も作品を重ねるごとにより複雑になっており毎回驚かされる。さらに、デビュー当初からは想像できないほど、パフォーマンス時の自信あふれる表情も必見だ。

 木全と同じくグループ結成後からラッパーを務めているのは鶴房。メインラッパーとして低音ボイスを響かせているだけでなく、表情管理にも磨きがかかっている。当初は一生懸命さが全面に出ていたが今や余裕が生まれて、ファンが喜ぶ表情もお手の物だ。「With Us」では冒頭、「Walk It Like I Talk It」では2コーラス目出だしのラップパートと、勢いが大切になるパートを担っているのも納得である。

 さらに、ダンスもラップもそつなくこなしてグループに華を添えていた白岩瑠姫は、今や『JO1のオールナイトニッポンX』(ニッポン放送)のメインパーソナリティとして、トークの手腕を発揮している。11人でのトークでは決して口数が多いタイプではないが、ひと度口を開けば彼の独壇場だ。パフォーマンスだけにとどまらず、JO1の活動の場を広げているメンバーとして、存在感を示している。

 最年少の豆原一成は、進化し続けている印象だ。オーディション時からダンスも歌も評価されており、そのスキルがしっかりと伸びてきている。特にダンスでは力強く跳ねるようなスタイルに磨きがかかっている。「Walk It Like I Talk It」でセンターになった時の華やかさは一際輝いているのではないだろうか。

 今もなお成長を見せてくれる彼らは、多様な個性を持っており、誰もが主役になれるグループだ。まだ見せていない、様々なパターンのパフォーマンスができる可能性を秘めている彼らは強い。この先も見る人を魅了し続けてくれることは間違いなさそうだ。

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