AKB48、乃木坂46……アイドルの“センター交代劇”が与える影響 =LOVEの決断はグループをどう導く?

 =LOVEが5月25日に11枚目シングル『あの子コンプレックス』をリリースする。表題曲のセンターを務めるのは佐々木舞香。デビューシングルから長年グループのセンターを担当してきた髙松瞳がセンターを降板し、佐々木へと受け継がれる、言わばセンター交代劇だ。

 =LOVEは4月29日に公式YouTubeにて、『11th Singleについてお知らせ』といったタイトルの動画を公開。そこで髙松は「今のイコラブは私がセンターじゃない方がもっと上を目指せるんじゃないかなと思いました。私がセンターじゃないイコラブを見てみたいとも思って、指原(莉乃/プロデューサー)さんに『センターを降ろさせてください』とお願いしました」とセンターを降りるまでの経緯を明かしている。動画が公開された4月29日は、イコラブの結成5周年記念日。髙松はデビュー前の初お披露目となった『TOKYO IDOL FESTIVAL 2017』のステージ、さらには合格者発表記者会見の時点から5年間、グループの中心的ポジションにいた。その一方で、常に自分はセンターに相応しいのかを自問自答しながら、時には休養という形でほかのメンバーにセンターをバトンタッチして、この5年間を力走してきた立役者であり功労者でもある(髙松が活動を一時休止していた期間には「ズルいよ ズルいね」で齊藤なぎさが、「CAMEO」で大谷映美里と齊藤がダブルセンターを務めている)。

フライングゲット (ダンシングバージョン) / AKB48 [公式]

 センターを固定し、グループにおける絶対的センターを生み出すロールモデルとして思い出されるのが、プロデューサーの指原莉乃がかつて所属していたAKB48の前田敦子だ。「会いたかった」「フライングゲット」など、卒業から10年が経とうとしている現在でもグループの顔としてVTRで紹介されることも少なくない。まさにレジェンドだ。正確には「会いたかった」以降の数枚は高橋みなみとダブルセンターを張っていたり、じゃんけん大会シングルなどでセンターではないシングルもあるのだが、26枚目シングル『真夏のSounds good!』までの6年間ほぼセンターという、改めて多忙を極めるスケジュールを送っていたことを痛感させられる。同時に、当時のAKB48では『シングル選抜総選挙』が上手く機能しており、人気が前田一強というわけではなく、「ヘビーローテーション」でセンターを務めた大島優子や篠田麻里子、渡辺麻友も高い知名度と人気を誇っていたことで、前田の卒業後もグループの黄金期は続いていくことになる。

乃木坂46 『ぐるぐるカーテン』Short Ver.

 時を同じくして、2012年に乃木坂46が『ぐるぐるカーテン』でデビューを果たす。センターは生駒里奈。そこから彼女は『君の名は希望』まで5作に渡って、単独で連続センターを務めることになる。その期間は1年、と書くと短くも感じるが、ドキュメンタリー映画『悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46』にも収められている生駒の失神とそのステージの後に飛び跳ねる姿は、『ガールズルール』で白石麻衣へとセンターのバトンが渡されたことによるプレッシャーからの解放を生々しく伝えている。グループの黎明期における生駒という存在は圧倒的なセンターとしての輝きを放っていた。その象徴が、先日の卒業生が集結した『10th YEAR BIRTHDAY LIVE』での「制服のマネキン」。アイドルシーンに疎い層でも生駒は今でも抜群の知名度を維持しており、それは見方によれば固定センターの諸刃の剣とも言えるが、その後も、白石や西野七瀬、生田絵梨花といったメンバーが続いていったことを考えると、5枚目を区切りにしたのは絶好のタイミングだったのかもしれない。

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