乃木坂46『セーラームーン』、日向坂46『マギレコ』、≠ME『おジャ魔女どれみ』……アイドル×魔法少女舞台はスタンダードに?
指原莉乃プロデュースのアイドルグループ ≠MEが、舞台『おジャ魔女どれみドッカ~ン!』を5月15日からスタートする。過去にはけやき坂46(現:日向坂46)が『マギアレコード 魔法少女まどか マギカ外伝』、乃木坂46が『美少女戦士セーラームーン』を舞台化しているが、アイドルと魔法少女の親和性は少女の成長譚という物語面においても親和性が高い。
魔法少女をモチーフにした作品は、不思議な力に目覚めたヒロインが、同様の力を持つ仲間とチームを組み、悪の集団と戦うというようなストーリー展開が一般的だ。その不思議な力は、眠っていた先天的な才能や、神や精霊といった第三者から力を与えられる後天的なものの大きく分けて2パターンがあるが、いずれも様々な試練を乗り越え成長していく姿が描かれる。
色ごとに分かれた華麗な衣装に身を包んだ少女たちが、戦うことの意味や自分自身のアイデンティティ、境遇などに悩みながらも、友情を育んだ仲間と助け合い、世の中の平和のために戦い続ける。そんな姿は、日本独自のアイドル文化との共通点も多いように思う。未成熟な少女=アイドルの原石が、プロデュースという魔法によって輝きを放つようになり、ライブやタレント活動といった様々な試練を乗り越えながら成長する過程を見せていく。そんな成長を見守ることがアイドルを楽しむ一つの醍醐味でもある。また、一人のヒロインが活躍するのではなく、仲間とのチームワークや切磋琢磨を問われるところもリンクしている。実際のグループアイドルにおいても、多くのメンバーの中で埋もれないための個性を見つけ、それを自分なりの方法で表現し、結果的にそれはグループの力として還元されていく。
魔法少女作品の舞台は、主人公という役割はありながらも、一人ひとりを主要キャストに置くことができ、それぞれの個性にスポットが当たることはもちろん、それまで埋もれていたメンバーをフックアップする機会にもなり得るなど、グループアイドルにとってのメリットも多い。そのほか、ライブパフォーマンスと、舞台におけるアクションやミュージカルにおける歌唱といった部分での親和性もある。