櫻坂46 上村莉菜と関有美子が密かに育んできた関係性 4thシングル『五月雨よ』にもたらした温かな空気感
2人が「五月雨よ」にもたらした温かな空気感
さて、そんな2人が初めて選抜入りを果たした新曲「五月雨よ」は、本人たち曰く「(2人が)これまで参加してきた曲に雰囲気が似ている」という。(『ボム 2022年5月号』より)
実はこの2人は、それまでの2枚のシングルで同じ楽曲に参加している。それが「偶然の答え」(『BAN』収録)と「無言の宇宙」(『流れ弾』収録)だ。この2曲は、従来の櫻坂46の持っていたイメージとは異なるような、爽やかでどこか切なさのある雰囲気が印象的な作品になっている。
櫻坂46は、「BAN」や「流れ弾」といったスピード感あふれるアグレッシブな表題曲を続けてきた一方で、カップリング曲にはこうした穏やかで優しい作品を忍ばせていた。まさに見えないところで密かに進行していた2人の関係のように、裏では別の魅力の構築に取り組んでいたのだ。上村と関の2人は、ある意味でグループが秘めていた“もう一つの側面”を象徴するようなメンバーなのである。
結果的に2人は、今作「五月雨よ」に温かい空気感や、ハートウォーミングな質感をもたらした影の立役者とも言うべき重要なメンバーになったと言えるだろう。2人とも前列のような目立つポジションではないものの、毎回のテレビ披露ではしっかりと表情がカメラに映り、楽曲の温かいイメージを補強している。2人のキャラクターや関係性を知っている者からすれば、より味わい深い感情が湧いてくる作品になっているのだ。
偶然から始まり、表からは見えない場所で育まれた2人の関係。櫻坂46を上昇ムードへと押し上げた今作には、そんな2人の物語が隠されているのである。
(※1)https://www.billboard-japan.com/d_news/detail/110960/2