IZ*ONE活動終了から1年 宮脇咲良、矢吹奈子、本田仁美……ガールズグループシーンの変革担う存在となるか

 活動が終了してから約1年が経った今もなお、その存在が惜しまれるIZ*ONE。2018年にオーディション番組『PRODUCE 48』から誕生し、2年半の活動に終止符を打った日韓合同の12人組女性グループだ。

 色とりどりの個性豊かなメンバーたちは、グループ活動終了後どのように歩みを進めているのだろうか。世界中のファンの注目と期待が集まる中、今回は特に日本人メンバー3人、宮脇咲良・矢吹奈子・本田仁美の動きに焦点を当てて分析していきたい。

 SNS総フォロワー数は370万人に及び、グループでも屈指の人気とカリスマ性を誇る宮脇咲良の活躍には目を見張るものがある。IZ*ONE活動終了後、様々なコスメブランドのミューズ就任や自身のプロデュースコスメのローンチ、メディアへの出演など多彩な活躍を見せた宮脇は、2022年に韓国の大手プロダクションであるHYBEと契約を締結。HYBE傘下のSOURCE MUSICから6人組ガールズグループ・LE SSERAFIMの最年長メンバーとして5月にデビューを控えている。

 HKT48時代から『選抜総選挙』で幾度も選抜入りを果たしていたとは言え、この数年で国境を越えてK-POPシーンの要として目覚ましい進化を遂げていることからは、今後彼女がグローバルグループを率いていく新たな可能性も見て取れる。

 3人の中でその成長が一際輝いたのは本田仁美だ。渡韓前は『選抜総選挙』でも圏外が続き、AKB48メンバーとして大きな注目を浴びる機会がそう多くはなかった本田だが、帰国後にAKB48に戻り59枚目のシングル曲「元カレです」で晴れてセンターに就任。パフォーマンス面での技術向上のみならず、ストイックな努力によりビジュアルにも磨きがかかり、今では確固たる存在感を放つAKB48の主要メンバーへと躍進した。

 あどけない表情の彼女が持つ高いダンススキルはAKB48のオーディション時にも注目され、『PRODUCE 48』においても視聴者やファンから高い評価を得た。IZ*ONE活動終了後の昨年秋にはTikTokを開設し、現在は様々なダンスカバーを投稿するなど、多角的な活動を通じてファンとの交流を深める姿が好評である。

 一方、IZ*ONEメンバーからも妹のように可愛がられる愛らしさが魅力の矢吹奈子は、昨年秋にリリースされたHKT48のアルバム『アウトスタンディング』のリード曲「突然 Do love me!」で単独センターを務めた。“突出した”という意味を持つ本アルバムのタイトルに紐付け、矢吹は今が「後輩たちが突出してHKT48を新しく変えていく」時期であることを感じ取っているようだ(※1)。

 元来、選抜入りやセンターへの抜擢も多く将来を熱望されていた彼女だが、本作のミュージックビデオを撮影するに当たって「物足りない」と感じられる従来の歌唱シーンのアングルを変えるなど、自身の意見を反映させることでグループの作品そのものをグレードアップさせる役割も担い始めている。2年半の韓国での活動で得た気づきは今、日本における音楽活動にもしっかりと投影されていると言える。

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