櫻坂46、今年初のシングルがチャート首位獲得 ドラマティックに鳴り響く楽曲群から垣間見える現在のモード

 今回は、各形態のカップリング曲も重要です。TYPE-Aの「I'm in」は、ダンスビートを押しだしており、メンバーのシンガロングも爽快です。

 驚いたのはTYPE-Bの「断絶」。アコースティックギターのストロークで始まり、ギターとボーカルが呼応するかのようでスリリングです。作編曲はCHOCOLATE MIX。

 そして、今回の最大の目玉はTYPE-Cの「制服の人魚」でしょう。スクラッチで幕を開ける、ソウルナンバーです。メンバーはラップもしていて、演奏ではブラスセクションが鳴り響きます。櫻坂46によるシティポップ、という感じも。こうした楽曲を歌うにあたり、櫻坂46がうまくグルーヴをつかんでいることにも驚きました。この路線は続けてほしいところです。作編曲は三谷秀甫。

 TYPE-Dの「車間距離」は、デジタルなビートとともに、イントロではシンセサイザーが鳴り響きます。森田ひかるがメインのMVは、船上でのダンスシーンや、現代アートのようなコスチュームをかぶっている人々の映像も非常にスタイリッシュ。そして、トンネルや橋の上を走る櫻坂46のメンバーが笑顔なのもポイントです。

櫻坂46『車間距離』

 通常盤の「恋が絶滅する日」は、R&B風味にして、隠し味としてラテンが入っているというトラック。

 さて、2020年の映画『僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46』を見たとき、さまざまな思いを私は抱きました。それから約1年半。シングル『五月雨よ』を聴き、現在の櫻坂46が力強い楽曲群を生みだしていることを素直に祝福したくなりました。

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