BTS、「Butter」にかけるグラミーへのブレない想い 授賞式を前にメンバーの言葉から紐解く

 ついに明日4月4日(日本時間)に迫った、2022年のグラミー賞授賞式。大ヒットシングル「Butter」で“最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス賞”にノミネートされたBTSが、念願の受賞となるか注目を集めている。

 「当然グラミー賞を受賞したいという思いはあります。『Butter』でもう一度挑戦したい気持ちです。そして、いい結果が得られたらと思います」とは、昨年5月21日に行なわれた「Butter」のグローバル記者会見でのSUGAの言葉。

 BTSにとってグラミー受賞はこの数年掲げ続けてきた大きな目標のひとつ。2021年のグラミー賞においても「Dynamite」で同部門にノミネートされたが、惜しくも受賞を逃す結果に。そこで今回はBTSが「Butter」にかけた想いを改めて振り返りたい。

多くの悩みから生まれた「Butter」

 先述したグローバル記者会見で、JIMINは「Butter」が制作されるまでのBTSの動きを語った。「6カ月間チームについて考えました。どうするべきか、ファンの皆さんとの関係、これまで見てきた人たちをどうやって満足させるのかなど悩みました」。

 長引く世界的なパンデミックによって思うようにライブ活動ができない日々が続いた。デビュー8周年を迎え、これまで積み上げてきたものが実を結んでいる手応えを感じる中で、存分にパフォーマンスを披露できない悔しさが伝わってくるようだった。

 「第一にステージ、第二にステージを考えるのが僕らの強み」とSUGAが語ったように、BTSはARMY(ファン)との絆を重視した活動を続けてきた。楽曲制作についても、聴いてくれる人に届けることが大事だとBTSは考えている。

 RMは楽曲制作のプロセスとして「まず会社(事務所)と僕たちで話し合うんです。最近の問題や今考えていること、どういうことを感じているかについてインタビューのようなものをするんです。そこでバランスを見つけていきます。BTSがやりたいこと、表現したいことは何なのか」と明かしていた。そして「一方で人々は僕たちから何を聞きたいのか、いつもそんな悩みがあります」とも。

 当たり前にあると思われた輝かしい時間が過ぎ去っていく喪失感、頑張りたい気持ちが空回りする焦燥感……世界中の若者が感じていた不安や虚しさ。そんなネガティブな気分を吹き飛ばすように歌われたのが「Butter」だった。

 想定していた夏とは違うかもしれない。けれど、ARMYには溶けるバターのようになめらかに熱く、二度とない2021年の夏も楽しんでほしい。そんな“願い“にも近いメッセージが込められた「Butter」は、世界中の若者たちの心を揺さぶった。

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