Snow Man、チャン・グンソク、まふまふ、サカナクション、工藤晴香……3月30日リリースの新譜5作をレビュー

 毎週のリリース作の中から注目作品をレビューしていく連載「本日、フラゲ日!」。今回は3月30日リリースのSnow Man『ブラザービート』、チャン・グンソク『Blooming』、『まふまふ トリビュートアルバム〜転生〜』、サカナクション『アダプト』、工藤晴香『流星列車』の5作品をピックアップした。(編集部)

Snow Man『ブラザービート』

 表題曲はSnow Manが主演を務める映画『おそ松さん』主題歌で、ラッパー/シンガーソングライターとして注目を集めるクボタカイが提供したパーティーロックチューン。〈只今絶賛引きこもり〉〈結局結ばれてんだ僕らbrother とまあ毎日僕らはお粗末です〉と『おそ松さん』の世界に思いきり浸りながら、メンバー個人個人のキャラクターも活かした楽曲は、グループの新境地を感じさせる。コミカルながら指の先まで細かく考え抜かれた振り付けなど、パフォーマンスでの見応えも十分な楽曲だ。カップリングには『ミンティア』CMソングとしてオンエア中の「REFRESH」も収録(初回盤A、通常盤のみ)。Snow Manの真骨頂でもあるフロア志向のビートと艶やかなボーカル、そして繊細かつ大胆なダンスを堪能できる。(渡部)

Snow Man「ブラザービート」Music Video

チャン・グンソク『Blooming』

 2020年5月に約2年に及ぶ社会服務要員としての服務を終え、アーティストとして再スタートを切ったチャン・グンソクから、約5年ぶりのフルアルバム『Blooming』が届けられた。先行配信された「Star」「雨恋」「Day by day」を含む本作。“この先のストーリーは一人では描けない。君に会いたい”という思いを描いた爽やかで切ないポップチューン「時を駆けて」、ジャズやソウルを取り入れたバンドサウンドとともに官能的な恋愛シーンを映し出す「共犯者」、シティポップ的な音像と〈また笑えるようになるまで/満たしてあげる〉というフレーズが響き合う「Chamomile」といった楽曲には、復帰を待ち望んでいたファンに対する真摯な感情が満ち溢れている。深みと軽快さを同時に感じさせる歌声も気持ちいい。(森)

チャン・グンソク  アルバム「Blooming」全曲トレーラー

『まふまふ トリビュートアルバム〜転生〜』

 昨年5月に史上初の東京ドーム無観客配信ライブを開催(全世界40万人が同時視聴)。『第72回NHK紅白歌合戦』に初出場を果たし、カバー曲「命に嫌われている。」を歌唱するなど、“熱狂的なファンを持つ歌い手”から完全に全国区のアーティストへと上り詰めた、まふまふ。『転生』とサブタイトルが付けられた本作は、まふまふのオリジナル曲を気鋭のクリエイターがリアレンジしたものを、本人と縁のあるボーカリストらによるカバー歌唱を収めたトリビュートアルバムだ。「ベルセルク」(Neru×西川貴教)、「輪廻転生」(堀江晶太×天月-あまつき-)、「立ち入り禁止」(Ayase×Ado)などクレジットを見るだけでも盛り上がってしまうが、そのクオリティは想像以上。ボカロP、歌い手に象徴される日本のネットカルチャーの際立った才能が集結した、記念碑的な作品である。(森)

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