BTS JINから生まれる新たなコミュニケーション グループに欠かせない存在である理由

 “どんなツッコミもウェルカム”とでも言うようなJINの器の広さこそ、彼がBTSの中で欠かせない存在になっている理由だ。努力家で、真面目で、ともすればストイックに追い込みがちなBTSのメンバーたち。そんな弟たちにとって、少しでも息抜きができる時間を自ら作っていく、JINには年長者の余裕や愛情深さを感じるのだ。そして、その心の中をやさしく吹く風は、JINがいないときにもBTSをふんわりと包んでいるようだ。

 今回の生配信でもJINの存在を感じながらメンバーが「暖かくなってきたから油断してるときにケガしやすいと思う」(JIMIN)、「僕が思うに油断したんだ」(V)と、ツッコミを入れて、事態を深刻にしすぎない空気を作る流れがあった。このJIMINとVのやりとりに「人それぞれケガする月があるんだよ、僕は11月、12月。だから僕は年末にすごく気をつけてるよ。できるだけ何もしないようにしてる」と自分ごとに落とし込んでいったのが、BTSの次男にあたるSUGAだ。

 そんなSUGAの言葉を聞いた“黄金マンネ”こと末っ子のJUNG KOOKが、素直に「僕はいつかな?」と振り返っているのも、長男JINのもとですくすくと育った証かもしれない。さらに、しっかり者のリーダーでありながら、そそっかしい一面のあるRMが「僕は1年に10カ月くらいかな」なんて言って見せ、J-HOPEが「お前は常に気をつけて(笑)」と注意して笑いを誘うのも微笑ましい限りだ。

 JINがいないときにこそ、彼が耕してきたBTSの土壌が見えてくる。そんな風景に雑誌『GQ』でJINが「今後僕が引退をすることになったら、静かな田舎の村に住むのもいいかな」と話していたことを思い出す。そして「僕は普段から考えごとをしすぎないようにするタイプなんです」とも(※1)。

 食物を育て、釣りをして、庭にテントとバーベキューグリルを置いて、たまにパーティーをして……。まるでリアリティ番組『In the SOOP BTS ver. 』で披露した、和やかな休日のように過ごすJINの姿が思い浮かんだ。

 自然をそのまま受け入れていくこと。そして自分自身に対してもありのままを愛することの大切さを知っていること。その上で誰かを喜ばせることが好きで、その穏やかな心持ちが気づけば周囲にも影響していく。それをごくナチュラルに続けて来られたのが、JINの持つ“愛され力“と呼ばれる魅力なのかもしれない。

 BTSを取り巻く環境は、まだまだ穏やかとはいえない。24日にはJ-HOPEが新型コロナウイルスに感染したことが報じられた。それでも彼らならきっと困難を一つずつクリアしていってくれるだろうと信じることができる。完璧を目指しながらも、ツッコミを入れたり笑う隙を作り、心がいっぱいいっぱいにならないように。そんなJINが見せてくれる無理のない“頑張り方“は、閉塞的な生活を続けている私たちにも活かすことができそうだ。

※1:https://www.gqjapan.jp/culture/article/20220322-bts-cover-jin

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