9mm Parabellum Bullet、結成日に上げたさらなる進化の狼煙 『カオスの百年 vol.16』 はレア曲満載の一夜に


 そんな嬉しい発表を経てライブは後半戦へ。中村によるヘヴィなベースソロが鮮烈な印象を残す『Dawning』からの「Caution!!」でぶち上げると、続けて演奏されたのはなんと「Snow Plants」。コアなファン以外には馴染みがないであろう、シングル『Answer And Answer』のカップリング曲だ。ドラマティックに高まっていく演奏のムードは次の「コスモス」へと引き継がれる。レア曲連発に、客席では無言のどよめきのようなものが起きたが、徹底的に削ぎ落とされた「コスモス」のサウンドは、そのシンプルさゆえに今の9mmの音楽的な豊かさを証明していた。サポートを加えたトリプルギターだからこそ描ける風景、滝のギターらしからぬサウンドによって生み出される色、菅原の歌メロの抒情性。もともと持っていた武器も、新たに手に入れたものも含めて、やはりバンドとしての表現力は上がり続けている。

 オペラチックな展開が圧巻だった「泡沫」から、ジャジーなムードに乗せて中村がアップライトベースを弾いた(最後にはクルクル回していた)「キャンドルの灯を」を経て、菅原が再び口を開く。さまざまなことが起きる世界の状況に触れて「もううんざりするけど、こうして今日みんなに会えて、こうしてライブをやっていると、このために音楽はあるんだと思えた。必ずまた会いましょう!」。そうして演奏された「太陽が欲しいだけ」のエネルギッシュなサウンドがまさに日々を照らし出す太陽のように輝く。そこからはたたみかけるようなクライマックス。中村のスクリームも決まった「Living Dying Message」から怒涛の展開で「新しい光」を繰り出すと、ラストでは武田も含めたサオ隊4人でポーズを決める。そして最後の曲は再び『Dawning』からの「The Silence」だった。かみじょうのドラムがダイナミックに鳴り渡り、滝のギターリフが爆発的なエモーションを放出する。すべてを注ぎ込むような圧倒的な最後の展開は、19年目、さらなる進化を企図する9mmからの狼煙のようだった。

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