JO1、バラードから感じる歌唱力の成長ぶり 「Voice(君の声)」から「飛べるから」まで振り返る
JO1の歌唱力の成長が目覚ましい。とくにここ最近のJO1は、メロディアスなバラード曲のリリースが続き、これまでよりもさらに深みと奥行きを増した彼らの歌声を感じ取ることができる。
2月14日に配信リリースされた「Dreamer」は、JO1が初主演を務めるドラマ 『ショート・プログラム』の書き下ろし主題歌であり、ドラマの内容とあわせて注目された。そして3月4日には、グループ初のドキュメンタリー映画『JO1 THE MOVIE 『未完成』-Go to the TOP-』にあわせ、主題歌「飛べるから」を配信。映画でも描かれるデビューからこれまでの2年間の歩みと、ファンへの感謝の気持ちが詰まった本楽曲は、映画公開前から聴衆の心をつかみ、各ストリーミングチャートや動画配信サービスの上位を席巻している。
もとより、ボーカル組と呼ばれる與那城奨・河野純喜・金城碧海の3名を筆頭に、メンバーそれぞれが個性ある声色を宿し、その歌声が評価されていたJO1。最新楽曲で聴かせたボーカルに至るまで、どんな成長を遂げてきたのか。今回はこれまでのリリースでも必ずといっていいほど収録されてきた、バラード曲の数々を振り返りながら、彼らの歌唱力の成長ぶりを見ていきたい。
JO1のバラード曲をあえて時期で分けるとするならば、初期は、バラードの王道をゆく楽曲が多いように感じる。1stシングルに収録された「Running」やその後に続く「Voice(君の声)」「Be With You(足跡)」など、曲のポップさは異なるものの、どれもバラードがもつメッセージ性、叙情感がよく伝わる楽曲だ。
特に「Voice(君の声)」は、YouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」での河野のソロ披露が印象的な人が多いのではないだろうか。彼のストレートかつ、歌を相手に届ける真っ直ぐな気持ちが響く歌唱スタイルは、特に感情を最大限に乗せて歌う初期のバラード曲にフィットしている。加えてその歌声を支える、色気のある声色の與那城も、初期のバラード曲をより叙情的に感じさせる上で欠かせない存在だ。
このように、ボーカルラインとしてグループをリードする與那城や河野が目立つように感じるが、鮮やかなハイトーンを出す川西拓実やほのかなウィスパー感と品のある歌声をもつ佐藤景瑚など、他のメンバーも曲に彩りを添えている。初期の楽曲は、良い意味でそれぞれの声の個性をそのまま活かしていることが多く、ボーカルでメロディアスに聴かせるパート、ラップ調でリズミカルに聴かせるパートがわかりやすく分かれている。それぞれが楽曲の中で自分の役割を全うしてきたのが、彼らの歌唱力のベースとなっているのかもしれない。