@onefive、輝きに満ちた初の有観客ライブ セルフプロデュースも取り入れ磨き上げられたパフォーマンス

 ライブが終わり、出入り口に向かって歩いていると、同行していた編集者が「……想像以上でしたね」と声を漏らすように言った。「いや本当に。ダンスも歌もめちゃくちゃレベルが高かったです!」と僕も興奮気味に返した。あの日の彼女たちは、原石というよりも厳しい鍛錬によって磨き上げられた宝石に思えた。それくらい輝きに満ちたステージだったーー。

 “彼女たち”というのは@onefiveのことで、SOYO・MOMO・KANO・GUMIによって令和元年に結成された4人組ガールズユニットだ。メンバー全員が2004年生まれ、現在17歳の高校2年生。これまでコロナの影響で無観客ライブしかできなかったが、今年2月に1stアルバム『1518』をリリースし、結成3年目にしてようやく有観客ライブを開催することとなった。

 そんな記念すべき1stツアー『@onefive 1st LIVE-1518-』は、2月20日に大阪・UMEDA CLUB QUATTROで初日公演を行い、3月6日に東京・SHIBUYA CLUB QUATTROでツアーファイナルを迎えた。3月6日、昼公演を観るため場内に足を踏み入れると、フロアだけでなく関係者席まで満員。本番前からステージを見つめている者、振り付けの練習をする者など、それぞれが初めて目にする@onefiveに胸を弾ませていた。

 会場の明かりが落ちたと同時に4人がステージに現れて、「Lalala Lucky」で幕を開けた。弾けるようなリズムと、おもちゃ箱を開けたような煌びやかなメロディに合わせて、キレキレのダンスと歌を披露。大勢の拍手に包まれる中、GUMIが「渋谷のみなさーん、元気ですか? 一緒に素敵な思い出を作りましょうー!」とフロアの後方まで声を飛ばし、2曲目は初期の楽曲「まだ見ぬ世界」を歌唱。歌い出しのフレーズ〈この空間にいれることが幸せで〉〈この景色が見れることも幸せで〉は今の4人の気持ちを表しているよう。水色の照明に包まれる中、まるで海の中を優雅に泳ぐ魚のごとく、しなやかなダンスを魅せた。

 大勢の観客を目の当たりにしてKANOが「うわー、すごいね!」と興奮していたら、SOYOも「思ったよりも人がいっぱいいる!」と喜びの表情を浮かべた。自己紹介や挨拶を終えて、GUMIが「次は、私たちの成長した歌声をお届けできたらと思います」と話すと、スタッフが運んだきたピアノの前にSOYOが座り、バラード曲「缶コーヒーとチョコレートパン」の演奏を始めた。

 ステージが夕焼け色に染まる中、MOMO・KANO・GUMIの3人は、SOYOのピアノに合わせてしっとりと歌い上げる。ピアノのみの歌唱は実力がなければ物足りなさを感じてしまうが、4人は声の伸びも、抑揚も、ハモリも、間の取り方も抜群。歌だけでも勝負できるグループであることを証明した。

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