なにわ男子、ジャニーズの伝統も継承する多彩な世界観 見どころ盛りだくさんなライブパフォーマンスの魅力

 なにわ男子の初ライブ作品『なにわ男子 First Arena Tour2021 #なにわ男子しか勝たん』が3月7日付オリコン週間ミュージックDVD・BDランキングで初週売上25.2万枚を記録し、初登場1位に輝いた。同作は、デビュー前のジャニーズJr.としては異例の、全国8カ所を巡る単独アリーナツアーの様子を収録したもの。加えてライブ中にデビューが発表された記念すべき瞬間がおさめられていることも話題のひとつ。メモリアルとなった映像を振り返りながら、グループのライブパフォーマンスの魅力について触れてみたい。

ジャニーズの伝統、フライングの演出も継承

なにわ男子

 デビューから快進撃を続けているなにわ男子の7人。グループでの活動に加え、映画やドラマ出演など個々の活動もめざましいが、やはり彼らの一番の魅力は独自の世界観で楽しませてくれる歌とダンスのパフォーマンスだろう。同作は“関西ジャニーズJr.”のなにわ男子としてのツアーを映像化したものだが、特筆すべきはデビュー前とは思えないパフォーマンス力だ。

 関西ジャニーズJr.時代から関ジャニ∞、ジャニーズWESTらと一緒に大阪・松竹座の舞台に立ち続けていた彼ら。物理的に距離が近い会場であるだけに、ファンのリアルなリアクションがダイレクトに演者に伝わってくる。身近にファンの反応を感じながら、パフォーマンス力を身につけていったように思う。先輩たちがデビューし、巣立っていった後は自分たちが先頭に立ち、ファンと向き合ってきた。松竹座で培った嬉しい経験も、悔しい経験も全て現在の彼らの糧になっているのではないだろうか。

 ライブの演出を主に担当しているのが、西畑大吾だ。グループのプロデュースを手がける大倉忠義(関ジャニ∞)と一緒にステージを作り上げてきた。今回のツアーで西畑は、ジャニーズ伝統の演出を絶やさないためにワイヤーを使ったフライングで登場してみないか、と大倉から提案され、チャレンジすることを決断。ジャニーズの伝統を継承した、正統派アイドル路線を歩むなにわ男子だからこそ託された大きな役割であるように思う。メインステージから中央ステージまで高さ15mの上空を優雅に飛ぶ7人の姿に、会場のファンからは熱い視線と大きな拍手が巻き起こった。またステージ衣装に携わっている長尾謙杜の卓越したデザインとセンスも、ライブのクオリティを高めている大事な要素だ。今回は地球をイメージしたスパンコールを使った華やかな衣装をはじめ、和風のコートからの早変わりスタイル、バンダナ柄のカラフルな浴衣など、メンバーをより輝かせるために考え尽くされた衣装でライブを彩った。

関連記事