櫻坂46、4thシングル「五月雨よ」はどんな曲? 2年目のグループが放つメッセージを歌詞やサウンドから考察

 櫻坂46が4月6日に発売する4thシングル『五月雨よ』の表題曲の音源が、先日メンバーがレギュラー出演するラジオ番組『レコメン!』(文化放送)にて解禁された。前作『流れ弾』以来約半年ぶりのリリースとなる今作を、歌詞やサウンド面から考察してみたい。

 まず歌詞の基本的な状況は以下の通り。

 主人公は、君に自分の気持ちを伝えられずにいる。なぜなら、外は雨が降っているから。雨さえ止めば今すぐにでも会いに行く準備はできているが、雨が止まないため、君に会いに行けない。だから今は、雨宿りしながら雲の切れ間を待っている。どんどん惹かれてく君への気持ちと、止みそうで止まない雨。どちらも五月雨のようだーー。

(*五月雨とは、物事が途切れながらも繰り返されることを意味する言葉で、はっきりしない、だらだらと、といったニュアンスも含まれる。ちなみに同じ字で「さつきあめ」と読む場合もあるが、今曲では「さみだれ」と読む。)

メッセージはシンプル

 この歌が言いたいことは非常にシンプルだ。それは2サビで明確に表現されている。

「ずぶ濡れになってもいい 不安の中 飛び出すべきだ」
「その勇気が僕にあれば 雨だってきっと怯むだろう」
「何もせずに厚い雲に覆われていちゃ 君に伝わらない」

 作者は、雨が降っているからといって何もしないようでは、相手に何も伝わらないと忠告する。不安だとしても、自分から飛び出せば雨だって止むだろう。つまり、あなたが変われば天気(状況)も変わるというのだ。まずは動き出そう。至って明快なメッセージである。

 ただしこの歌は、最後のフレーズが意味深だ。

「雨よ止むな」

 普通であれば、君に気持ちを伝えられるよう、雨には止んでほしいはずである。しかしこのラストの一行は、まったく真逆のことを言っている。ここの解釈は受け手によって分かれるだろう。

 一つは、弱気で気持ちを伝えられないのを、雨のせいにして諦めたいという消極的解釈が挙げられる。この曲の主人公は、自分からは「絶対に言い出せない」タイプで、自分のことを「意気地なし」だと自覚している。どっち付かずで、優柔不断。外に飛び出せば君に会いに行けるのに、勇気がなくて動き出せない。それならいっそ雨よ降り続いてくれという主張である。

 これに近いもので、雨が降る限り君に惹かれ続けているのなら、そんな今の状況も悪くないよね、このまま今がずっと続いてほしいな、といった現状肯定的な解釈も可能だ。

 もしくは、曲中に登場する恋愛論(絶えることのない永遠=愛)をもとに、この雨こそが君への愛なのだとする線がある。ここでいう雨は、天気の雨ではなく心の雨。つまり、主人公の心の中に降り続ける五月雨のような君への気持ちが、どうか消えないでくれ、このまま途絶えずに永遠のもの(=愛)であってくれと最後に願うのだ。

 いずれにせよ曲のメッセージはシンプルで、それは「飛び出すべきだ」である。

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