光GENJIからKing & Princeへと続く、歴代ジャニーズグループ“ドーム公演”の軌跡 これまでの記録を振り返る
ファンファーストの演出がジャニーズドーム公演の醍醐味
ドーム公演ではダイナミックな演出が見所だが、同時にスタンド席上部からはアーティストが遠く感じられる場合もある。さらに座席の場所によっては音響や照明などの大型機材で一部視線が遮られることもあった。この観る側のストレスを全て解消して見せたのが嵐のライブ演出を手がけている松本潤だ。
現在ドーム規模のライブを行うジャニーズ以外のアーティストのステージでも当たり前になった、アリーナ席上部を移動する大型のムービングステージも松本のアイデアだ。大きな会場で少しでもファンの近くに行きたいという思いから生まれたこのシステム。『ARASHI LIVE TOUR 2014 THE DIGITALIAN』からはFreFlow(=フリフラ、ペンライトの自動制御システム)を使った演出も導入。広いドームの客席を生かし、ファンの持つペンライト自体を演出に取り入れ、その後『ARASHI LIVE TOUR 2016-2017 Are you Happy?』では、スタンド全体が動く夜景になるという驚きの演出も見せた。
そして特筆すべきは『ARASHI LIVE TOUR 2017-2018 「untitled」』から採用された2083インチの可動式・超特大LEDビジョンである。スタンド上段席からもアーティストの姿を間近に感じることができる演出は、それ以降、数多くのジャニーズグループのステージにも登場しファンを喜ばせている。さらに、これまで座席によってはステージまでの視界を遮っていたスピーカーもステージ上部に配置するなど、どの席からもステージが見渡せるような配慮もなされている。
このように、ただ大きな会場でライブを行うことや動員人数だけでなく、いかに集まったファンを満足させるか、気持ちに寄り添えているのかにこだわっているのがジャニーズ・エンタテインメントの特徴であり、人気の秘密でもある。
King & Princeのライブはメンバーの神宮寺勇太が中心となって演出を行っていることで知られている。毎回ダイナミックかつ豪華、そして夢のある演出で話題となるKing & Princeのライブであるが、今回のドームツアーではどのようなセットや演出でファンを楽しませてくれるのか期待が高まる。
また、感染対策を徹底しながらアリーナ規模のツアーを再開してきたジャニーズグループが、再びドーム会場でのライブを開催できるようになっていることも記しておきたい。一旦はドーム公演開催を発表していたジャニーズWESTをはじめ、まだドーム公演を行っていないグループも今後そのステージに立つ機会が訪れることを、今から楽しみに待ちたい。