當山みれい、川崎鷹也らとのコラボを経て広げた恋愛ソングの表現 「MIREI TOUYAMA EXTENDED」を振り返る

當山みれいが広げた恋愛ソングの表現

「雨の音」のような楽曲をもらえたのは當山みれいとしての運命

――そして配信がスタートしたばかりの第3弾楽曲が「雨の音」。作詞・作曲は川崎鷹也さん、アレンジャーはNobuyuki Tanakaさんです。

當山:「食えない」「嵐の前の静けさに」の2曲では、いわゆる一般論ではない、あまり大声で公には言えないような恋愛の形を歌ってきたので、もともとは今回のプロジェクトのラストとなる第3弾ではハッピーな曲を川崎さんには書いていただこうと思っていたんですよ。川崎さんはお子さんもいらっしゃるので、恋愛という枠を超えたラブソングを書いていただけたらなって。でも、実際に打ち合わせをしたところ、「絶対に當山みれいに合うと思うんです」って言ってこの曲をくださったんですよね。

――この曲で歌われているのは、終わってしまった恋、別れてしまった相手への思いですね。

當山:そうなんです。そこで、これも運命かなってちょっと思ったんですよ。決して晴れていない楽曲、雨の日のような楽曲をいただけるっていうのは、當山みれいとしての運命のような気がしたというか。なので腹をくくって、大切に歌わせていただきますってお伝えしたんですけど(笑)。

――ハッピーな曲ではないですけど、ここで描かれている相手への思いの強さは決してマイナスの感情ではないようにも思うんですよね。そこに満ちたせつなさは誰しもが共感し得るものでもあるでしょうし。

當山:そうそう。恋愛だけに限らず、晴れの日があったら雨が降る日も絶対にあるわけで。だったら、その雨にしっかり寄り添うことで、その雨の瞬間すらも噛みしめられたらいいなって思うんですよ。辛いことがあったならば、しっかり泣ききれるような、自分の中の雨を降らせきれるような、そんなきっかけの曲になったらいいなと思いました。そういった意味では、ある種、終わりの見えた恋愛を歌っていた「食えない」「嵐の前の静けさに」も含め、すべてをしっかり包み込んでくれるような楽曲にもなったんじゃないかなって。結果的に、今回のプロジェクトの最後を飾るにふさわしい楽曲になったような気がします。

――本当に素晴らしいメロディを持った曲ですが、そこにどう歌を乗せていきましたか?

當山:本当にキレイなメロディなんですよ! でも、だからこそ歌い方を一歩間違えるとキレイな部分を壊してしまう怖さもあって。そこはけっこう自分なりに戦いましたね。

――これまでの楽曲に比べると、若干コブシを感じさせる箇所が見えている印象もありました。それがこのメロディにはすごくマッチして心地いいんですけどね。

當山:そうですね。そこは川崎さんの良さに引っ張られたところだと思います。デモでは川崎さんが歌ってくださっていたんですけど、それがもうほんとに素晴らしくて。「めっちゃいい曲! このまま出していいっすか?」くらいな(笑)。それくらいレベルの高い歌を聴かせていただいたので、当然そこに引っ張られたところはあるんですけど、でもそこが見えすぎるのも違うなと思ったので、自分のオリジナリティをどう加味していくかをすごく丁寧に考えました。當山みれいはわがままで一途な人間であると思っているので、それをこの曲では上手く出していきたかったんですよね。Bメロではブレスの使い方で切羽詰まっている感じを表現してみたり、パートごとにいろいろ表情を変えています。

――サビではかなり感情がグッと出ていますね。

當山:もう完全に泣いてる感じですね。一人で泣きながら歌っているような寂しさを表現したかったんです。ちょっと声が震えているくらいの弱さをサビでは意識しましたね。

――アレンジに関しては當山さんから何かオーダーはしたんですか?

當山:この曲のアレンジはTanakaさんのスタジオにお邪魔して、いちから一緒に作っていったんですよ。そういう作り方は今回が初めてですね。川崎さんのデモはギターでの弾き語りだったので、最初はギターを中心に据えたアレンジにしようっていう話もあったんです。でも、ギターで作りこんでいく中でどうしてもこの楽曲が持つ「寂しさ」のニュアンスが上手く引き出すことができなくて。そこで私からピアノメインのアレンジに方向性を変えていく提案をしたんですよね。細かい音にいろいろなフィルターをかけたり、場所によってはそれがバツンと消えていたり、音的なこだわりはかなり注ぎ込んでもらいました。

――當山さんのアイデアもたっぷり盛り込まれていると。

當山:そうですね。恋愛における盲目さを表現したかったので、Bメロではボーカルの1オクターブ上のユニゾンを自分で歌わずソフトで作ってもらったりもしましたね。それによって、ちょっと周りが見えていない感じというか、周囲の人が心配になるほど相手を追いかけているような必死さを伝えたいなって。細かい音作りにまでかかわれたのはすごくいい経験になりました。この曲はたぶん、當山みれいの楽曲を好きで聴いてくれてる人にとってはド真ん中だと個人的には思ってます。きっと楽しんでもらえるんじゃないかな。

――MVも必見の内容になっているそうですね。

當山みれい『雨の音』 Music Video

當山:そうなんですよ! この曲の主人公はすごくピュアに相手のことを思っているけど、同時に盲目的でもある。そこってすごく紙一重で、時にはその突っ走っていく感情が怖さを生んでしまうこともあると私は思っているんです。なので、そういう部分をMVではしっかり表現しようと思ったんですよね。MVの中で黒い服を着て、何かをジッと見つめている私の姿にぜひ注目してください。MVの中で私が演じていることは一般的には決して許されることではないんだけど、その裏にあるピュアで深い愛を感じてもらえたらいいなって思います。でも、あくまでもフィクションであるエンタメとして楽しんでください!(笑)

――「MIREI TOUYAMA EXTENDED」で3曲を作り終えてみて、今はどんな気持ちになっていますか?

當山:自分の中の恋愛に対しての視野がより広げられたことは、今後の自分の制作にも大きな影響を与えてくれるだろうなと思っています。いろいろな方の力を借りて表現の幅を手に入れることができたので、今度はそれを自分の言葉やメロディでしっかり表現していきたいなって。それがもう楽しみで仕方ないです。

――禁忌的な恋愛の形にまで踏み込んだわけですから、ここからはもうどんな恋愛の曲でも歌っていけそうですよね。

當山:そう思います。恋愛という概念を超えた部分での、家族や友人、自分の中にある夢みたいなものに対してのラブソングがあってもいいわけですしね。そこの枠もどんどん広げていきたいです。今回の経験を経て、自分の中には新しい當山みれいらしさを探す旅がスタートしたような感覚もあって。その旅の中でまたおもしろいものを見つけて、それを早くお届けできるように頑張りたいですね。

■リリース情報
當山みれい「雨の音」
2月9日(水)Digital Release
楽曲提供:川崎鷹也
アレンジ:Nobuaki Tanaka
【ダウンロード/ストリーミング】
https://smr.lnk.to/0MqtrCWN
【MV】
https://youtu.be/aKf_s5BFtSk

當山みれい「嵐の前の静けさに」
12月15日(水)Digital Release
https://smr.lnk.to/JJY34kWN
楽曲提供:荒谷翔大(yonawo)
アレンジ:mabanua

當山みれい「食えない」
11月17日(水)Digital Release
【ダウンロード/ストリーミング】
https://lnk.to/siyRTWWN
楽曲提供・アレンジ:南雲ゆうき

■関連リンク
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<締切:3月3日(木)>

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