Nissy(西島隆弘)、ラブソングで紡ぐ“優れた物語” 観る者・聴く者の想像力を掻き立てる独自のエンタメ性
またMVに込められたこだわりも一級品だ。昨年リリースされた「Get You Back」から「君に触れた時から」に至るまで、繋がりを感じさせるギミックが仕込まれていたり、楽曲同様それぞれ違うテイストを打ち出しながらも、そのすべてが映画のようなダイナミックな映像作品として楽しむことができる作りになっている。
「君に触れた時から」のMVは、これまでのようなカラフルな背景やチャーミングな笑顔、ダンスパフォーマンスは封印され、彼自身の表情や壮大なロケーションがメインとなっており、Nissyにとっても新しい挑戦と言えるだろう。俳優としても高い評価を受ける彼だが、卓越した演技力で切なる想いを表現し、リスナーにも同じように様々な感情を呼び起こさせるあたり、さすがとしか言いようがない。透き通った歌声と美しく幻想的な大自然の風景がシンクロし、観る者を楽曲の世界観へ誘なう。1番と2番での歌い分けや、表情の違いといったディティールも、切なさを携えたシリアスなバラードの中に、深い物語を想起させる。
彼のエンターテインメントは、聴く者・観る者の想像力を掻き立てる。そしてファンの想像を軽々と超える作品を生み出す姿勢が、私たちの心を掴んで離さない。今回の楽曲では国内だけでなくグローバルな支持を集めている彼だが、今後どのように飛躍するのだろう。また、今度はどのような恋物語を紡いでくれるのだろうか。ラブソングの名手としても、期待が高まる。生粋のエンターテイナーであるNissyの次なる一手が待ち遠しい。