CHAIの“NEOかわいい”はどこまでも進化していく iriと共に盛り上げた対バンツアーファイナル

 CHAIが対バンツアー『冬のCHAIまつり 2022』を開催し、無事完走した。本ツアーは東名阪の3公演となっており、大阪公演にNEE、名古屋公演にはMomがゲストアクトとして登場。そして今回レポートするファイナルの東京公演はSpotify O-EASTにて、iriを迎えて行われた。

 ステージに登場し、「こんばんはー」とゆるっとした挨拶をするiri。招いてくれたCHAIへの感謝や今年初ライブであることを告げ、「ナイトグルーヴ」を披露した。歌う直前に「まだ若干起きてない」と吐露していたが、そんなことを微塵も感じさせない安定感のある歌唱力を見せつける。続けて、力強いラップが印象的な「無理相反」や、瞬く照明とクラップで始まった「24-25」らをドロップ。その後は「ちょっと目覚めてきた」と話したタイミングで、バイラルヒットしたラブソング「会いたいわ」を熱唱したほか、疾走感のあるダンサブルな新曲「摩天楼」をライブ初披露したりと、ゲストアクトでありつつも主役級のパフォーマンスをしていく。緩急のある演奏により引き立てられる歌声に酔いしれるように、リスナーも身体を揺らしたり手を挙げたりと自由に楽しんでいた。

 ステージの幕が降ろされた状態で、鼓動の音や「C・H・A・I」と読み上げるSEが流れる。いよいよ本日のメインアクト、CHAIのステージが始まり、期待が最高潮に達したタイミングで幕が上がる。「NO MORE CAKE」が流れるステージに現れたのはシルバーのフード付き衣装に身を包んだメンバーたち。ステージ前方に並ぶ3人と、ドラムセットに座っている1人。ドラムセットにいるのはドラマーのユナであることは想像に容易いが、ステージに立っている3人はダイナミックに身体を動かしながら歌っているため、筆者のいる2階席からはもはや一見誰が誰なのかわからなかったほどだ。CHAIといえばピンクの衣装と思っていたリスナーはきっと度肝を抜かれたことだろう。

 曲終わりでフードを取り、「We are CHAI!」と元気に挨拶。4人でボーカルとダンスを披露する「ACTION」に続いていく。MCにてマナ(Vo/Key)がiriのライブを絶賛したあと、「CHAIは4人とも個性があるのが本当に良くて。それは音楽の楽しみ方も同じだと思う」と話し、写真・動画の撮影がOKだと告げられた。その後はシルバーの衣装を脱ぎ、ピンクのフェミニンかつボリューミーな衣装姿で、「アイム・ミー」が奏でられた。ありのままの自分の姿をポジティブに受け止めることを歌った楽曲で、ラストの〈Because I’m me〉の部分で自分たちのことを指差すメンバーが最高にキュートだった。

 ライブは「IN PINK (feat. Mndsgn) 」「Nobody Knows We Are Fun」「チョコチップかもね(feat. Ric Wilson)」 が次々と展開されていく。フロアを必要以上に煽らずとも、しっかりとファンたちを音楽の世界に巻き込み、目と耳を自分たちから離させないような感覚がしっかりとあった。お馴染みの自己紹介セクションは、リズムトラックに乗せたラップと『ハイスクール・ミュージカル』の「We're All in This Together」のメロディに合わせた自己紹介を愛嬌たっぷりに披露。その後は、そのままでいることが誰よりも可愛いとコンプレックスを肯定してくれるポップナンバー「N.E.O」に続くのだが、繋ぎのドラムがアグレッシブかつクールだったことも記しておきたいポイントだ。ハイテンポな曲でフロアをさらに盛り上げ、リスナーの気持ちを高揚させていく。

 ユウキ(Ba)とユナが奏でるリズムに、マナとカナ(Vo/Gt)が歌を乗せていく「END」。アウトロ部分では徐々にテンポアップし、ユウキとユナの骨太な音に魅了されると同時に、後ろ向きで2人ぴったりと揃って同じポーズをするマナとカナもキュートだった。「みんな一緒に踊ろう〜!」と声がかけられた「PING PONG! (feat. YMCK) 」では、ユウキとユナがステージ後方にセットされたDJブースに立ち、マナとカナが前方のスタンドマイクで歌とダンスをするというパフォーマンス。テクノポップなサウンドとパラパラ要素を取り入れたダンスは、もう一度見たくなる中毒性を放っていた。

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