眉村ちあきとでんぱ組.inc、愛とユーモアに溢れたツーマンライブ 持ち味が炸裂した底抜けに明るいパーティーに
二組の魅力を出し尽くすようなステージだったが、それぞれのライブ後半ではさらに明るく希望に溢れたステージを作り上げる。
でんぱ組.incのパートでは、「2年くらい厳しい状況が続いて今も不安ですけど、今年こそ明るくいきたいじゃないですか! 健康に明るく、春、咲かせていきましょう!」という藤咲彩音の言葉に会場のサイリウムはピンクに染まり、「サクラあっぱれーしょん」へ。賑やかなお祭り騒ぎを演出すると、相沢梨紗の威勢のいい「かかってこいや!」を皮切りに「いのちのよろこび」へと繋がる。炎に見立てた装飾のついた扇子を振りながら原始的な歌詞を雄叫びのように歌い、サビでは植物や動物の垣根も越えた壮大な〈いのちのよろこび〉を紡いだ。
「いのちのよろこび」に共鳴するようなパフォーマンスをしたのが眉村だ。終盤に披露した「旧石器PIZZA」は奇しくも「いのちのよろこび」と時代感が類似している。歌詞に〈マンモス〉が登場する楽曲を持つアーティストもそう多くはあるまい、何万年も前の世界ででんぱ組.incと眉村が出会った瞬間だった。
眉村はそんな「旧石器PIZZA」を歌い終え大拍手に包まれながらステージを去ったが、アウトロが終わると慌てて「まだ最後の曲じゃなかった、ごめん!」と登場し会場は大爆笑。「本当になにをしても怒らないね、優しいと優しいがこう、マ!(交わる!)ってなって幸せだね」と笑うと、「どこかの大学の調べによると、幸せな人が身近にいると15%長生きするんだって。私いま幸せだからみんなの寿命伸びたよ」と言い会場は拍手に包まれる。「みんなも幸せですか? そうしたら私も寿命伸びた! そうしたらもっと幸せになってみんなの寿命が伸びるね……」と続け、「でも、でんぱ組さんも幸せそうだからもっと寿命伸びた! でんぱ組もメンバー全員長生きしてください」と泣きながら言い、会場に笑いと拍手が広がる。「そういう曲をやります」と披露された「大丈夫」は力強く、温かく響いた。
アンコールではでんぱ組.incと眉村ちあきのコラボが実現。でんぱ組.incの中でも仲間との団結を象徴するような楽曲「キラキラチューン」を、振りを完コピした眉村をセンターに披露。眉村の「手を取り合うからね」では、でんぱ組.incのメンバーと眉村が手を繋ぎ歌い、幸福感が満ち溢れた。
ダブルアンコールに応えたでんぱ組.incと眉村が踊り歌ったのはなんと「マツケンサンバⅡ」。最後まで二組の持ち味が炸裂した底抜けに明るいパーティー。なんとも御利益がありそうな、年始にふさわしい一夜であった。