稲垣吾郎・草なぎ剛・香取慎吾が欠かさない新世代との交流 若かりし3人のエピソードも
本日1月10日は成人の日だ。2020年以降これまでの暮らしが一変し、新たな生活様式へと順応してきた新成人たち。不安とやるせなさを受け入れながら、大人への階段を登っていった人も少なくないだろう。今日という日も、かつて多くの人が主人公として迎えた“成人の日”とはまた違ったものになっているかもしれない。そんな先の見えない日々にありながらも、この大きな節目が笑顔あふれる1日になることを願うばかりだ。
成人式は新成人にとって特別な1日であるのはもちろん、それから何年、何十年と超えた人たちにとっても、そしていつかその日を迎える若い人たちにとっても、自らの人生について考えるタイミングとも言える。特に、今年2022年は4月1日より新成人の年齢が18歳に引き下げられることから、市区町村によっては1月に20歳の、3月には19歳の、5月には18歳の……と、年齢別に3回の成人式が行なわれるなどイレギュラーな1年に。それだけに人生を振り返るチャンスも多くなりそうだ。
続々と新たな世代が大人として一歩を踏み出そうとしている今、人生の先輩としてどうありたいか。そんなことを考える人も少なくないのではないか。当たり前のようにあった“これまで”が当たり前ではなくなっていく中で、“人生の先輩像”も変わりつつあるのかもしれない。
昨年、渋谷区の成人式にスペシャルゲストとして登場した稲垣吾郎は「20歳の頃の自分に言葉をかけるとしたら?」と問われ「そのままでいいよ、と言いたい」と答えていた(※1)。激動の平成の世を国民的アイドルとして駆け抜け、2017年にはまっさらなところから新しい地図を広げてきた。その豊富な経験からも様々なことを新成人たちに伝えられそうなものだが、3人がこうした質問を受けるときはいつだって驚くほどあっさりしている。
草なぎ剛は、昨年の成人式の日にTwitterでメッセージ動画をアップすると「大人になりきれない僕がいまして。もう若い方から刺激をもらいつつ、若い方から勉強させてもらっております。んーそうだね。年は関係ないっすね(笑)。一緒に頑張りましょう!」と笑い飛ばしていた。
また、香取慎吾が雑誌『POPEYE』(2018年3月号)の『二十歳のとき、何をしていたか?』特集に登場したときも、「うーん、ほとんど記憶がないんですよね。僕、昨日のこともあまりよく覚えてない感じなんで(笑)。自分の歴史が知りたいときは『ウィキペディア』でも見るか、なんてね」と茶目っ気たっぷりに語っていたのを思い出す。
彼らが記憶を遡るのも難しいほど忙しい日々を過ごしていたのは確かだ。しかし、やんちゃ盛りだったSMAPメンバーがテレビの段取りを無視してプールに飛び込みスタッフから怒られたこと。叱られている最中に「早く終わらないかな」と時計を眺めていた光景など、愛すべき思い出たちは度々彼らの中で盛り上がる話題のため、すべてを忘れているわけではないことがわかる。
だが、そうした昔話で盛り上がるのは同じ時間を共有した人たちとのスペシャルな場面のみ。特に若い世代と話すとき、こうした“昔話”や“説教話”、ましてや“自慢話”などが彼らの口から聞こえてくることはないように思う。むしろ、新世代の声に耳を傾けたい。そのスタイルこそが、もしかしたら彼らが世代を問わずに愛され続ける秘訣のように感じるのだ。
稲垣は、昨年12月にMCを務めるラジオ『THE TRAD』(TOKYO FM)にてゲストにBE:FIRSTのMANATOとJUNONを迎えたときにも、「ボーイズグループの大先輩として忙しい日々を乗り切るためのアドバイスは?」と振られていたが、「サウナじゃないですか?」とつい同番組収録の4日前にハマったことを話題に持ち出していた。するとMANATOもJUNONも「サウナには結構行く」と明かし、稲垣がむしろ「(サウナの)先輩だ」と話が弾んでいたのも印象的だった。
草なぎも、映画『ミッドナイトスワン』で共演し、本作が女優デビュー作となる10代の服部樹咲に「樹咲ちゃんと出会わなかったら、この凪沙は生まれなかったし、映画がこんなに素晴らしいものになっていないと思います」と、常に学ぶ側として接していた(※2)。服部も「草なぎさんとしてじゃなくて凪沙として接してくださったので、一果と凪沙の関係性が本番でもちゃんと表現できたのかなと思います」と語っていることから、役者の先輩後輩ではなく共に作り上げる仲間としての意識が伝わってきた。
さらに、香取は常に様々なジャンルの若き才能をチェックしていることがわかる。レギュラー番組『7.2 新しい別の窓』(ABEMA)では彼が注目した10〜20代の若手ミュージシャンをゲストに迎えてセッションする姿も見受けられ、楽曲提供の流れになっていったこともあった。2018年には期間限定オープンのアートギャラリー『NAKAMA de ART』で若手アーティストたちともコラボ。“香取の絵の上に描き足してもOK”という自由さに、アーティストたちものびのびと表現を楽しむ姿が動画に収められている。