『A Tiny Winter Story』インタビュー

南條愛乃×あさのますみ、心の距離を近づけた二人だからこそ描けた大切な人との別れ 「素敵な恋愛は“余韻”が残る」

 声優アーティストの南條愛乃がオリジナルアルバムとしては前作『∴(サントロワ)』から実に4年4カ月ぶりとなる通算4枚目のニューアルバム『A Tiny Winter Story』をリリースした。

【南條愛乃】4th ALBUM「A Tiny Winter Story」全曲試聴クロスフェード

 タイトルからもわかる通り、さまざまな冬の物語をテーマにしたアルバムには、彼女と同じく声優であり、作詞家や文筆家、ラジオパーソナリティーとしても活躍している あさのますみ(浅野真澄)が作詞を手がけたウィンターバラード「余韻」が収録されている。南條は、浅野が自ら命を絶ってしまった大切な友人に宛てた手紙として描いたエッセイ『逝ってしまった君へ』(小学館)に感銘を受けて作詞を依頼したという。『逝ってしまった君へ』から「余韻」へ。ふたりの出会いからお互いの魅力、楽曲の制作や作詞家としての姿勢について話してもらった。(永堀アツオ)

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「勝手に超頼りにして、なんでも相談する」(南條)

あさのますみ、南條愛乃

ーーお二人の関係性からお伺いしてもいいですか。

南條愛乃(以下、南條):後輩です!

あさのますみ(以下、あさの):あ、先輩です(笑)。『ラブライブ!』(2013〜2014年)で共演をしたり、私がやっていたラジオ番組『アニスパ!』になんちゃん(南條)がゲストで何回か来てくれたりしてましたね。

ーーお互いにはどんな印象を持ってましたか。

南條:『ラブライブ!』で共演した時は、あさのさんが(高坂)穂乃果(CV:新田恵海)のお母さん役をやっていて。お母さん役は新鮮だなと思っていたんですけど、その頃にストイックに体質改善をしてるっていうインタビュー記事を読んだことがあって。

あさの:(笑)。結構、前にやってたことあるね。

南條:あと、保護猫の活動も見ていたし、本も書かれていて。一度始めたことは責任を持って、丁寧に細かく、最後までやり遂げているという印象があったので、尊敬していますし、カッコいいなと思っていますね。真似して体質改善しようとしたことがあったんですけど、私はスタートも切れなかったです……。

あさの:(笑)。私にとってのなんちゃんはおしゃれ番長ですね。なんちゃん、おしゃれだよね?

南條:お洋服は好きですね。

あさの:私が「このアイテム、どうやって着るの?」って思っているものを、なんちゃんはいつも正解を見せてくれて。アフレコのスタジオとかで見かけるたびに、「今日もなんちゃん、おしゃれだわ〜」って思ってました。

南條:ほんとですか!? いつでも猫背で台本を読んでるようが気がするんですけど。

あさの:いや、難しいアイテムを使いこなしているんですよね。例えば、ポンポンがついた毛糸の帽子とか。私はそれを渡されても、どうしたらいいかわからないんですけど、なんちゃんはさらっとおしゃれにコーディネートしたりする。あとは、声優として知っていたけど、初めてユニットの曲を聴いた時に、すごく歌声が素敵だなと思って。佇まいもおしゃれだからアーティスティックなんですけど、歌ってる時もアーティストっていう感じがしてすごいなと。私の中では「カッコいい、おしゃれな人」っていう印象です。

南條:そんなふうに思っていただけていたなんて知らなかったです。嬉し、恥ずかし、くすぐったし……。

ーー(笑)。声優としてはお互いにどう見てますか。

あさの:共演したのは『ラブライブ!』くらいだよね。でも、私はいろんな引き出しがある人っていうイメージがありますね。歌ってる顔と演じてる顔が違うし、ファッションもまた違っていて。いろんな引き出しがあるなと思ってます。

南條:お母さん役をやられていた時も「素敵」って思っていたんですけど、あさのさんがフリーになられて、ホームページにアップされていたボイスサンプルを聴いたときに、改めて、声優さんってすごい! って感じて。自分も声優なんですけど(笑)、私がこれを求められたらどうしたらいいんだろうって思ったくらい。ナレーションもそうなんですけど、ライオンの赤ちゃんの声が入ってて。それが可愛くて、何回も聴きました(笑)。

あさの:恥ずかしい(笑)。

ーーお二人の距離が縮まったきっかけは何かあったんですか。

あさの:なんでLINEするようになったんだっけ?

南條:それが、私が事務所を移籍する前のタイミングですね。なかなかちゃんとお話をする機会がなかったんですけど、あさのさんはフリーでやられていたんで、最初に相談させてもらって。だから、こんなにたくさん言葉を交わさせてもらったのは、今年になってからです。

あさの:本当に人生を左右するような相談事だったので、無責任なことは言えないなと思って。結果、長い文章を送ってしまって。文通みたいな感じで、長文をやりとりしてたよね。

南條:ありがたかったです。

あさの:なんちゃんもまた長く返してくれて。いろいろ聞いてもらえるのは嬉しかったですね。ただ、責任重大だなと思ってました。一番幸せな選択をして欲しいと思っていたので。

南條:私の幼稚な質問にも丁寧に教えてくださって。なんて素敵な先輩なんだろうと思い、そこからは移籍の話だけじゃなく、猫ちゃんの病院の話とか、勝手に超頼りにして、なんでも相談するようになって(笑)、それにエッセイもいただいて。

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