EXILE TETSUYA、元バリスタチャンピオンとともにCOFFEE PARTY開催 「ダンスとコーヒーは密接だと気づいた」

EXILE TETSUYA、COFFEE PARTY開催

 EXILE TETSUYAが11月18日、アジア最大規模のスペシャルティコーヒーイベント『SCAJ ワールド スペシャルティ コーヒー カンファレンス アンド エキシビション 2021』のイベント会場にて元バリスタチャンピオンらとともに『EXILE TETSUYAのCOFFEE PARTY  supported by スマートニュース』を開催した。

EXILE TETSUYA

 この日、TETSUYAはコーヒーマイスター初代アンバサダーに就任したばかり。就任を記念して作ったというブレンド豆「Choo Choo BLEND」も発表された。2020年・2021年産のコロンビアとエチオピアの豆で、COE(コーヒー豆の品評会)で高く評価された贅沢な豆を使用。「ステージの上でスポットライトを浴びたような気持ちになるブレンド」を目指したという。この「Choo Choo BLEND」は「AMAZING COFFEE」オンラインショップなどで購入可能だ。

 『EXILE TETSUYAのCOFFEE PARTY』の企画にあたっては、コーヒーと自身の得意分野であるエンタテインメントを融合させたという。オープニングアクトとして、TETSUYAが学長を務めるEXPG高等学院の生徒たちがコーヒーと学院生活を組み合わせたダンスパフォーマンスで盛り上げた。

 続いて「コーヒー×お笑い」の試みとして、松竹芸能所属のお笑いコンビ・コーヒールンバのコントが披露された。TETSUYAの友人でもあるコーヒールンバの平岡佐智男は、過去にはコーヒーチェーン店の店長を務めていたという経歴があり、2020年からは猿田彦珈琲の広報も担当している。

 コントはコーヒーショップで繰り広げられるカップルの別れ話で、ボケに「エスプレッソ」「ペーパードリップ」「インドネシア・ワハナ・ナチュラル」「アナエロビック・ファーメンテーション」などコーヒー用語がちりばめられていた。

 メイン企画であるトークセッションは引き続きコーヒールンバの平岡氏が司会を務め、TETSUYAと、2014年に『ワールド・バリスタ・チャンピオンシップ(WBC)』でアジア人初の優勝を果たした株式会社QAHWA(カフア)代表取締役 井崎英典氏、『ジャパン・バリスタ・チャンピオンシップ(JBC)』で三連覇、2017年『WBC』準優勝、丸山珈琲所属のバリスタ 鈴木樹氏、TETSUYAを「コーヒー業界へ導いた」という猿田彦珈琲株式会社 代表取締役 大塚朝之氏の4人が登壇。大塚氏は猿田彦珈琲を創業するかどうか迷っているときにドラマの仕事で知り合ったTETSUYAに相談したところ、「やったほうがいいよ」と背中を押されて今に繋がっているというエピソードを明かした。そしてこれまでブラックコーヒーが飲めなかったTETSUYA が、「猿田彦珈琲(恵比寿本店)の開店祝いに訪れた際にスタッフの皆さんと飲んだブラックコーヒーに衝撃を受け、コーヒーにハマっていった」という。TETSUYAは他の2人とも大塚氏を介して知り合っているそう。大塚氏は大学の後輩である井崎氏をTETSUYAと引き合わせ、鈴木氏との出会いに至ってはライブツアーで北海道を訪れていたタイミングでTETSUYAを紹介。TETSUYAにとって鈴木氏は「コーヒー界のスーパースターで大ファンの存在」で、北海道で会えた時は感激したという。

 さらに「今、日本で一番コーヒーを淹れるのがうまい」スペシャルゲストとして、『JBC』で2017年、2019年に優勝し、2022年に行われる『WBC』へ日本代表として出場予定の石谷貴之氏が登場。トークセッション中の4人へ、石谷氏が個人的にオークションに参加して落札したという希少な豆を使いエスプレッソを振る舞った。鈴木氏は「うまい人のエスプレッソって質感が滑らか」と味を評価。TETSUYAは「香りがコーヒーというよりカカオ」と感想を漏らすと、石谷氏は「コロンビアのマンデラという新しい品種で、パルプドナチュラルという発酵工程をしっかり行っている豆なのでトロピカルなカカオの香りが感じられる。冷めてくるとウイスキーやラム酒のような風味が出てくる」と解説。鈴木氏は「大会みたいなプレゼンテーションでワクワクしますね」と、まるでバリスタ・チャンピオンシップのような雰囲気を楽しんでいた。

 井崎氏から「エスプレッソを淹れるとき一番気をつけていることは?」と質問されると、「同じ動きをすること」と石谷氏。「バリスタは1日100杯作っても同じクオリティのものを出すのが大事。だけどそれが難しい。いろんな要素で味は左右されるが、そのブレをなるべく狭めるために人間は細かいところまで同じルーティンをする」と続けた。井崎氏は「一貫性ですね」と相槌。同じバリスタとして深く共感したようだ。

 TETSUYAから「(大会で)プレゼンしていて、エンタテインメントしてるなと感じることは?」と聞かれると、「自分がやってて楽しいプレゼンテーションをしたいなと思っている。そうじゃないと審査員にも伝わらない」と石谷氏。TETSUYAも「僕もステージで踊るとき、同じ感覚ですね」と共感していた。

 バリスタを目指す人に向けてコメントを求められると石谷氏は「バリスタはコーヒーを出すだけではなくサービスマンであるというのが大事で、コーヒーを通してお客様に楽しんでもらうのが僕らに与えられた使命。そこにコーヒーの生産者の思いなどを乗せることで、よりコーヒーという体験を楽しんでもらえると思う」と答え、登壇者から口々に「カッコイイ」と感嘆の声が漏れた。石谷氏は「2022年の『WBC』まで残り10カ月、しっかり準備して皆さんにいい報告ができるように頑張ります」と決意を語り、会場を後にした。

 会場から登壇者へ向けて「ドリッパーなど道具のこだわりは?」と聞かれると、TETSUYAは「僕はなるべく木の部分が多い器具を選びやすい。木のぬくもりが好き」、井崎氏は「最近は古伊万里や南部鉄器にはまっていて骨董品の収集をやっている。日本の骨董品はすごくて、現代にも通じるデザインがある。それでコーヒーを飲むと貴族の気分が味わえる」、鈴木氏は「自分の家に置くのは自由度の高いドリッパー。気分に合わせて好きな味が淹れられるような、ある程度淹れる人に委ねられるようなもの」、大塚氏は「まだ彷徨ってて。答えにならずすみません」とそれぞれの答えが。

 司会者からトークテーマ「好きなコーヒー(シーン、味別)」について聞かれると、井崎氏はアウトドアで飲むコーヒーが好きだと言い、「アウトドアは五感が研ぎ澄まされてすごくいい。それに抽出云々とか気にしなくていい。店舗で入れたらバチバチに調整するけど、外だと言い訳が許される」と冗談めかして理由を語った。逆に鈴木氏は、コーヒーショップ巡りが趣味でバリスタに淹れてもらうシーンが好きだと話す。「味ももちろん好きなんですけど、一生懸命抽出してくれて話を聞きながら飲むコーヒーが好き」だという。大塚氏も人に淹れてもらうコーヒーが好きだと言うが、お店ではなく「友人のお宅とかに行ってパッと淹れてくれたのとかいいよね」とのこと。「昔、TETSUYAさんのお宅に行って淹れてもらったコーヒーも美味しかった」と続けると、TETSUYAは「初めて猿田彦珈琲に行ったときの雰囲気が忘れられなくて。コーヒーに向かって、みんながああだこうだ言いながら談笑していた。『コーヒーは何も気にせず楽しんで淹れてください』と大塚君が言ってくれたのが心に残っている」と照れながら思い出を振り返っていた。

 次のトークテーマ「コーヒーの未来とビジネスアイディア」で、TETSUYAが「どんな進化があるのか、井崎君に聞いてみたかった」と話題を向けると、井崎氏は一気にトップバリスタの顔に。コロナ禍前はコーヒーコンサルタントの仕事で年間200日以上海外にいたという井崎氏だが、コロナ禍となってからは世界に誇れる日本の伝統工芸を深く掘り下げているという。

 「最近面白いと思っているのは南部鉄器。岩手の盛岡にはもう4~5回行って作り手の人と会っている。水に対する考え方も日本独自で面白い。“和銑(わずく)でお水を鍛えてお茶を嗜む”という文化が昔からあった。他にも奈良県の熊野古道の最果てまで水を探しに行ったりもした。人から“コーヒーとは関係ないことやってるね”って言われるけど関係はある。わざわざ汲みに行った水で、南部鉄器で鍛えた水で入れたコーヒー、飲んでみたいと思わない? 日本の伝統とコーヒーを組み合わせたら世界に発信していけるなと思った」と熱く語った。ここまでのめり込んだ理由は「コロナ禍になってバリスタの職業の価値がわからなくなった。ぶっちゃけ全自動コーヒーマシンでも美味しいコーヒーは淹れられる。バリスタの職業価値は何か考えたとき、その人しか入れられないコーヒーという結論に至った」からだという。静かに聞いていたTETSUYAは「『WBC』でチャンピオンになったからこそ追い求める先があるんだろうなと思ってたから、この境地まで行ったんだ」とリスペクトを示した。

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