THE BACK HORN、4人に通ずるのはシュールな感性？

ーーそしてカップリング曲の「疾風怒濤」は、グランジ、レゲエなどが混ざり合ったナンバーで、アレンジも展開もまさに怒涛ですね。

菅波：「疾風怒濤」はもともと『情景泥棒』（2018年）を作ってた時期からあったんですよ。『情景泥棒』には“バンドサウンドに別ジャンルをくっつける”という裏テーマがあったので、この曲も“ごちゃまぜ感”があるんですけど。とても好きな曲ですね。

ーーこれもTHE BACK HORNらしさの一つだと思います。

山田：そうですよね。「THE BACK HORNらしさって何だろう？」って、さっきも話してたんですよ。

菅波：もうわからないよね（笑）。

山田：（音楽的に）いろんな枝葉があるんだけど、1本1本が太くなってきたというのかな。

菅波：そうだね。「疾風怒濤」みたいな曲、普通はスタッフに「こういう曲はもう要らないんじゃないか？」って言われそうだけど、俺らはずっと作り続けてきているので。まだライブではやってないんですけど、たぶん演奏して楽しい曲だと思います。

山田：リハで合わせを始めたんですけど、すごく楽しいです。

ーー「疾風怒濤」の歌詞、シュールですよね。〈踊ろうぜ〉〈歌おうぜ〉〈しかし重力うぜえなあ〉という。

菅波：「どういうテンションなんだ？」っていうね（笑）。〈重力うぜえなあ〉を言い出したのは（岡峰）光舟なんですよ。2人でいるときに、いきなり「重力うぜえなあ」って言い出して。

山田：ダルかったんだろうね（笑）。

菅波：「面白いな。いつか歌詞に使おう」と思って、こうなりました。譜割りも気に入ってますね。たぶん曲を聴いても、〈重力うぜえなあ〉って聴こえないと思うんですよ。先に歌詞カードを読んで、「この歌詞、どんなメロディに乗ってるんだろう？」って想像するのも楽しいだろうし。

山田：ノリ重視なところもあるよね。レコーディングでも16（ビート）に乗って歌ってました。

菅波：ちょっとサイケな感じもあって、意外とノレるよね。こういう曲を作っていると、将司と2人で吉祥寺のリサイクルショップを回ったときのことを思い出すんですよ。

山田：……え！？

菅波：結局、何も収穫がないまま、2人でメシ食いに行った日のこと。そのときカウンターに並んで『おしゃれ手帖』っていう漫画を読んでたんですよ。不条理ギャグ漫画なんですけど、それを男2人が並んで読んでるって、端から見たら気持ち悪いじゃないですか。

ーー確かに異様かも（笑）。

菅波：そうそう。それもTHE BACK HORNのメンバー同士に共通するセンスだなと思っていて。その感じが「疾風怒濤」の歌詞にもつながっているのかなと。

山田：バンドの根っこにはシュールなところもあるからな。

ーーさらに本作には、『「KYO-MEIワンマンツアー」カルペ・ディエム〜今を掴め〜』から、2021年3月4日に開催された新木場 USEN STUDIO COAST公演を全編収録したBlu-ray ディスクも封入されます。

山田：『カルペ・ディエム』のツアーはもともと2019年の秋に開催するはずだったんだけど、俺の喉の不調で途中で延期になって。その後、コロナ禍で何回も振替して、今年の3月にやっとファイナルを迎えられました。

ーーようやく完結したと。

山田：一応ですけどね。中止や振替でライブに来られなかったお客さんもいるので。次に進むために映像化させてもらったけど、またいつか『カルペ・ディエム』の曲をライブで披露したいと思ってます。

菅波：うん。映像と音をチェックしたとき、すごく気合いが入っていて、演奏もタイトで「いいライブだな」と思えたのが嬉しくて。無傷でツアーを完走できたわけではないし、いろんな状況に巻き込まれながら生きてるんですけど、それによってむしろ「いい演奏だ」と思えことは自分たちの救いになりました。

山田：（『カルペ・ディエム』は）2019年にリリースしたアルバムですけど、コロナ禍になってさらに強く響く感じがあって。「今を掴め」「今を楽しめ」という意味のタイトルだからこそ、「制約された状況のなかで楽しむ」今のムードにドンピシャだったんです。自分たちもグッと来ましたね。

ーーそして2022年1月13日には、同じく新木場 USEN STUDIO COASTで『「KYO-MEI LIVE」〜STUDIO COAST THE FINAL〜』が行われます。閉館を迎えるSTUDIO COASTでは最後のライブですね。

菅波：そうなんですよ。

山田：ツアーのたびにやらせてもらっていた会場なので、寂しいですね。1月13日のライブはスペシャルな内容になると思います。

ーー2022年はロックバンドとして真っ当な活動ができるといいですね。

山田：そうですよね、本当に。来年もできるだけライブをやりたいと思っていて。

菅波：制作も続けたいですね。あと、インプットしたいんですよね。この前もマツ（松田晋二）と「美術館、行きたくない？」って話していて。

山田：いいよな、美術館。脳のシナプスが刺激される感じがあって。

菅波：CDショップも行きたいんですよね。以前はツアーで地方に行くたびCDショップに挨拶しに行ってたから。

山田：今回の『希望を鳴らせ』はVICTOR ONLINE STORE限定販売ですけど、来年はいろんなCDショップにも行きたいですね。

■リリース情報
THE BACK HORN『希望を鳴らせ』
2021年12月5日（日）発売
Single CD+Blu-ray／¥5,500税込
VICTOR ONLINE STORE限定販売商品
購入はこちら：https://victor-store.jp/item/165753/
DL／ストリーミングはこちら：https://jvcmusic.lnk.to/kibouwonarase

＜CD＞
Tr.1希望を鳴らせ
Tr.2疾風怒濤
＜Blu-ray＞
『「KYO-MEIワンマンツアー」カルペ・ディエム～今を掴め～（2021.3.4 新木場STUDIO COAST）』
1.オープニング –memento mori– (Live SE「KYO-MEIワンマンツアー」カルペ・ディエム～今を掴め～)
2.心臓が止まるまでは
3.金輪際
4.シンフォニア
5.フューチャーワールド
6.暗闇でダンスを
7.罠
8.ペトリコール
9.I believe
10.悪人
11.デスティニー
12.ソーダ水の泡沫
13.あなたが待ってる
14.果てなき冒険者
15.鎖
16.戦う君よ
17.刃
18.太陽の花
19.コバルトブルー
20.アンコールを君と
＜パッケージ仕様＞
・スリーブケース仕様
・ライブフォト掲載スペシャルブックレット（フルカラー24P）
・「KYO-MEIワンマンツアー」カルペ・ディエム～今を掴め～ オリジナルステッカー
・CD / Blu-rayをスマホで今すぐカンタン再生「プレイパスコード付」

■ライブ情報
『マニアックヘブン ツアーVol.14』
12月5日（日）新木場STUDIO COAST
＜配信視聴券＞
［配信サービス］StreamPass & FanStream
［アーカイブ配信期間］12月12日（日） 23:59まで
［販売期間］8月1日（日）10:00～12月12日（日）21:00
［視聴価格］視聴チケット¥3,500（税込）
［販売URL］https://tixplus.jp/feature/thebackhorn_maniacheaven14/
＜ギャラリー配信視聴券＞
［配信サービス］StreamPass & FanStream
［配信期間］12月12日（日）23:59まで
［販売期間］8月1日（日）10:00～12月12日（日）21:00
［視聴価格］¥1,500（税込）
［販売URL］https://tixplus.jp/feature/thebackhorn_maniacheaven14/

『USEN STUDIO COAST CLOSED EVENT THE BACK HORN「KYO-MEI LIVE」～STUDIO COAST THE FINAL～』
・日程：2022年1月13日（木）
・時間：open 18:00 / start 19:00
・会場：USEN STUDIO COAST
・出演：THE BACK HORN / [Front act] PELICAN FANCLUB
・チケット：
1F全自由¥4,500（ドリンク代別）
2F指定席¥5,000（ドリンク代別）
※ドリンクチケット1D¥1,000（スペシャルグッズ付）

THE BACK HORN オフィシャルサイト