眉村ちあき、日比谷野音で少し遅めの夏納め 『ナントカサマーフェスティバル』レポート

眉村ちあき日比谷野音で“夏納め“

 眉村ちあきのワンマンライライブ『ナントカサマーフェスティバル』が10月24日に日比谷野外大音楽堂で行われた。ステージには椰子の木やクワガタムシの置物など夏をイメージしたステージセットが組まれている。季節は秋になってしまったが、夏をコンセプトにしたライブをやることで、コロナ禍で思うように活動できなかった夏を取り戻すつもりなのだろう。

 「夏納めを今からしようと思います! 眉村ちあきです! よろしく!」と挨拶してライブをスタート。〈夏の音がする〉というサビの歌詞が印象的な「Individual」を、ハンドマイクでステージを動き回りながら歌い盛り上げる。続く「モヒート大魔王」では客席からクラップも聞こえた。気温の低さを吹き飛ばすように、ステージも客席も熱気が上がっていく。「例のアレ、やります」と告げてから披露されたすき家のCMソングに起用された新曲「愛でほっぺ丼」では、アコースティックな温かなサウンドで届ける。野外の雰囲気にマッチした心地よい演奏である。序盤からしっかり盛り上げて楽しませたものの、すっかり暗くなった空を見て「ちょうど夕日の頃かなと思ってセトリを組んでたんだけど」と言って予想外の事態を笑う眉村。そしてコロナ禍は楽曲提供など新しい挑戦を積極的に行ったことを語ってから、日本唐揚協会の初オリジナル・ムービー”KARAAGE WARS”テーマ・ソングとして“書きアゲ”た「KARAAGE WARS」をエレキギターをかき鳴らしながら披露した。

 序盤は未発表曲や新曲を続けて披露し、「最新の眉村ちあき」を伝えるセットリストだったが、ここからはライブ定番曲が続く。「夕顔バラード」で歌唱力の高さで感動させ「本気のラブソング」を叙情的な表現で歌い惹きつける。音源とは違うアレンジを取り入れており、過去曲も進化させて披露していた。「今日は最後の曲まで息継ぎしないようにします。まだ息継ぎしてません」と、独特な表現でこのステージへの意気込みを伝える眉村。序盤にも関わらず「終わると思ったら寂しくなってきた。終わったら怒るから」と、これまた独特な表現で寂しがる。そしてライブの終盤に披露されることが多い「ピッコロ虫」を早くも演奏。曲の終わりで「LOVE」という文字を腕で作る振り付けをするが、最後のEは気が変わったのか、省略して笑いを誘っていた。続いてライブ鉄板曲「ナックルセンス」で暴れ回るようにパフォーマンスする。最後のサビ前に「祈って!」と叫んでファンと共に手を合わせて祈る姿も、彼女にしかできない独特な盛り上げ方で楽しい。

 「荻窪選手権」ではステージ後方に満月をイメージした照明が映り、そこに祈りを捧げるように腕を広げる眉村とファン。この独特な一体感や破天荒さが彼女の魅力の一つだ。しかし眉村ちあきの本質は楽曲のクオリティや歌唱の凄さにある。訛りが歌詞に取り入れられた不思議で癖になる新曲「なまらディスコ」、「常夏を感じて」と告げてから披露された「緑のハイヒール」はウクレレの弾き語りで演奏し、メロディと歌声の美しさをより感じるライブアレンジで届ける。「タイムスリッパー」の後に歌われた「あたかもガガ」はエレキギターをかき鳴らしながら、オルタナティブなサウンドで披露した。それらは音楽性の幅広さと音楽の深みを感じる演奏だった。

 ここから再びひたすらに楽しくて盛り上がる楽曲が続く。「冒険隊 ~森の勇者~」「顔ドン」「偏差値2ダンス」とアップテンポのナンバーを、ステージを動き回りながら披露。盛り上がりすぎて「人を産む時ってこういう気持ちなのかな?」とまたしても独特な表現で楽しんでいることを伝える眉村。新曲の「旧石器PIZZA」では「曲中に指示するから、ペンライトを使って大きな花火を作りたい」と提案し、ファンがペンライトの向きを座席ごとに動かして大きな花火を作る練習をしてから演奏された。しかし盛り上がりすぎたためか、曲中に花火を作る指示し忘れてしまう。笑いながらすぐに切り替えて「悪役」を迫力ある歌唱で届けて本編を終えた。



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