鈴木愛理の音楽の“今”を詰め込んだ日本武道館でのステージ 2年ぶりワンマンライブを堂々披露

 『鈴木愛理 LIVE 2021~26/27~』が10月13日に日本武道館で行われた。ソロデビューライブ以来の久々の武道館公演であり、コロナ禍の影響で2年ぶりとなったワンマンライブである。2年間の間に発表してきた音楽を総まとめにして、鈴木愛理の音楽の“今”を届けるコンセプトだ。

 そのためか序盤は自身が2021年に出演したドラマ『ブラックシンデレラ 卒業編』のEDテーマ「Be Brave」と、コロナ禍の2020年末にリリースした「真夜中のメリーゴーランド」を続けて披露した。まるで思うように活動できなかった期間を取り戻すかのように、完璧に仕上がったキレのあるパフォーマンスを見せる。彼女を支えるバンドメンバーの演奏も力強くて最高だ。続けてOfficial髭男dismが楽曲提供したことで話題になった「Break it down」を披露し盛り上げていく。さらに「みんな予習してきてくれたかな? 踊るよ!」と呼びかけ、MVが公開されたばかりの新曲「rescue」へ。サビではMVと同様のダンスを一緒に踊ったりと、ライブ初披露の新曲とは思えない盛り上がりだった。

 雨が降った当日の天気について「℃-uteの頃は大きな会場でライブをやる時、雨が降ると成功するというジンクスがありまして、今日も引き継がれてるんだと思うと、雨すらも愛おしくなります」と過去を振り返りながら語る。そして26歳から27歳の2年間に、彼女が新しく挑戦したコラボレーション楽曲をメドレー形式で披露した。

 まずはインスタライブで聞いた相談を元に制作された、ファンとのコラボ楽曲といえる「きみにだけ人見知り」を優しい歌声で披露。そしてBlue Vintageとコラボした「Apple Pie」を心地よい演奏と歌で届け、クレイユーキーズとコラボした「この手。」で温かな空気を作った。コラボ楽曲の中でも特に彼女の新しい魅力を引き出しているのは、40mPとコラボした「空は二度燃える」だろう。過去の鈴木愛理楽曲にはないタイプのボカロ文化から出てきた楽曲だ。ライブではMVと同じアニメ映像がビジョンに映り世界観を構築していた。

 「昨日、縁起が良さそうなトンカツ食べたんだ! だから今日は良いことが起こると思ってやってるよ」と微笑ましいエピソードを語り空気を和ませてから、吉澤嘉代子が楽曲提供した初披露の新曲「笑顔」を穏やかな表情で披露。アコースティックの優しい音色と、繊細な歌の相性が抜群だ。そしてwacciの代表曲のカバーであり、鈴木愛理のライブ定番曲にもなっている「別の人の彼女になったよ」を感情を吐露するような高い表現力で披露。この曲も今の彼女の活動を語る上で欠かせない大切な曲だ。

 2年間の間に制作されたMVやオフショットなどの映像をまとめたVTRを挟み、パフォーマンスが再開。ピンクの衣装に着替えた鈴木が東京2020パラリンピック競技大会閉会式にも出演した管楽器ガールズユニット・MOSと共に、「Let The Show Begin」「Escape」を華やかな演奏で届ける。さらには℃-ute時代の楽曲「夢幻クライマックス」やBuono!時代の楽曲「初恋サイダー」を続ける。グループ時代を彷彿とさせるダンスも披露し、ファンはペンライトを振って盛り上がった。

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