STAYC『STEREOTYPE』がヒット MOMOLAND、Brave Girls、GFRIEND……大手とは一味違う中小事務所出身グループ
6人組K-POPガールズグループ・STAYCが、9月に音楽番組で1位を獲得した。STAYCは昨年11月にデビュー。所属事務所であるHigh Up Entertainmentは中小事務所であるものの、STAYCはデビュー以来その存在感を大いに示してきた。特に、今回リリースした1stミニアルバム『STEREOTYPE』は、2020年にデビューしたガールズグループの中では初めて初週売り上げ10万枚を達成するなど、高い人気が伺える。K-POPでは、大手事務所が音楽シーンを牽引しながらも、こういった中小事務所の健闘にも注目が集まっている。実際に、現在では世界的な人気を誇るBTSも当時中小事務所だったBig Hit Entertainment(現HYBE)から生まれた。そこで、大手事務所とは一味違う中小事務所出身のグループの魅力をピックアップしていきたい。
STAYCの新曲「STEREOTYPE」は、見た目は派手でも純粋に恋愛をする心境をアップテンポに歌っている一曲だ。そんな世界観をイメージしたメンバー6人の個性的なビジュアルでも話題を集めた同楽曲。キーワードとなっている“色眼鏡”は、振り付けのモチーフになっているほか、外見で人物が判断されることへの葛藤を綴った歌詞に深いテーマ性を感じ取っているファンも多いようだ。STAYCは、TWICEやチョンハなどを手掛けたユニット、ブラック・アイド・ピルスンが楽曲プロデュースを担当しており、今回の新曲を含むSTAYCのヒットに大きく貢献している。彼らがプロデュースする上で、STAYCは“ガールクラッシュ”という枠組みからあえて外しているのではないかと思う。というのも、楽曲の曲調・雰囲気は、可愛らしいという印象がまず第一で、歌詞では積極的な性格の女の子像が描かれているからである。そこには、王道のガールクラッシュである強気な態度とは一味異なるチャーミングさを強く感じる。さらに、STAYCの独自性を後押しするものとして、メンバーそれぞれの声質にも触れておきたい。メインボーカルを務めるSIEUN(シウン)とYOON(ユン)の対照的な魅力が、グループを単一的な魅力にとどめていないことはもちろん、リードボーカルのISA(アイサ)やメインラッパーのJ(ジェイ)などの個性的な声質を持ったメンバーがSTAYCのボーカルラインに厚みを生んでいる。異なる声質である場合、一歩間違えればバラバラに感じてしまうが、それを個性豊かだとポジティブに捉えられるように楽曲をまとめ上げているプロデュース陣の手腕も大きい。歌声のバリエーションがSTAYCの世界観をそのまま反映している上に、これまでリリースした活動曲の冒頭にある「STAYC girls…」といったお決まりの台詞も加わったことで、唯一無二の魅力が出来上がったのである。
昨今はMOMOLANDやBrave Girlsなど、音源からブレイクに繋がるケースが度々あるため、楽曲に注力することは中小事務所ならではの逆転方法なのかもしれない。その中でも、STAYCは公式YouTubeチャンネルにおいても、Dance PracticeやPerformance Videoにとどまらず、Live Clipや各メンバーのソロパフォーマンス動画、メイキングや裏側も細かく公開するといった宣伝方法で、大手に負けずファンを増やす工夫を施している。