INI、驚くべきパフォーマンススキルの成長 「Rocketeer」MVや『KCON:TACT HI5』出演から見えた努力の跡
歌もまたしかりだ。髙塚大夢の高音や、尾崎匠海の安定感はさらに磨きがかかっており、藤牧京介も包み込むような美しい歌声はそのままに、芯の強さが加わっていた。彼らは『KCON:TACT HI5』でボーカルチームとしてアカペラで中島美嘉「雪の華」を披露。それぞれバラエティ豊かな声色を活かしつつも、ピッタリとハマる美しいハーモニーを聴かせてくれた。また、「Rocketeer」の許豊凡は声に力強さが増しており、髙塚や藤牧の前後に歌うことでエッジを演出している。そして、ラップ。池﨑理人の低音は健在であったし、2コーラス目に入る前の〈Rocketeer〉は池﨑の“イケボ”があってこそだ。さらに気になるのは後藤威尊のラップ。おそらく意図的に作り上げた声でのラップだったが、ユニークさが曲に加わっていいスパイスになっていたのではないだろうか。この2人に加え、西、田島もそれぞれ色が違い、色々な味が楽しめる。
そして、表情の変化も成長の証だろう。『KCON:TACT HI5』で「Rocketeer」を“宇宙初披露”したが、その堂々とした姿たるやデビュー前の新人グループとは思えないほどで、「この楽曲を届ける」という一人ひとりの強い意思が伝わってきた。例えば、MVではわかりづらかったが松田迅の気合いの入った表情もしっかり見えており、いかなる時も表情を作ることができるという成長の証を見せている。さらにMVでは、メンバー一人ひとりが自分が映るパートでしっかりカメラにアピール。とりわけ藤牧がBメロでニヒルな表情をしており、『PRODUCE 101 JAPAN SEASON2』スタート当初、自信がなくて涙したこともあったとは思えないほどだ。「こんな表情もできるようになったのか」と、感慨深い。
このように全員着実に成長していることは間違いない。初代センターは木村だが、この先2曲目、3曲目とリリースする中で誰がフォーカスされても不思議ではないはずだ。こうしてメンバー全員がフォーカスされうるポテンシャルを持っていることも、INIの強みの一つだろう。デビュー後、彼らはどんな新しい姿をみせてくれるのだろうか。11月3日が楽しみでならない。