JO1、OWV、円神が『KCON:TACT』オフラインイベントに集結 同じ夢に向かった仲間たちによる最高のパフォーマンス

 9月18日から26日の9日間にわたって開催された世界最大級のK‐カルチャーフェスティバル『KCON:TACT HI 5』が、大盛況のうちに幕を閉じた。

 最終日には、11月3日にデビューを控えたINIが登場。グループ誕生のきっかけとなった『PRODUCE 101 JAPAN SEASON2』のテーマ曲「Let Me Fly 〜その未来へ〜」、デビュー曲「Rocketeer」を披露した。合間にはメンバーがボーカルチーム(髙塚大夢、藤牧京介、尾崎匠海)、ダンスチーム(木村柾哉、田島将吾、西洸人)、魅力チーム(松田迅、許豊凡、池﨑理人、佐野雄大、後藤威尊)に分かれ、それぞれの持ち味を存分にアピール。初の大舞台とは思えぬ堂々としたパフォーマンスを見せた。

 9月23日にはパシフィコ横浜にて、『KCON:TACT』史上初となるオフラインイベント『KCON World Premiere: The Triangle』が行われ、円神、OWV、JO1が登場。公演の模様は、25日の「KCON:TACT HI 5 SHOW」にてJO1の1部公演が、26日にはYouTubeメンバーシップにて、2部公演のフルバージョンがストリーミング公開された。

円神

 歌・ダンス・芝居を融合したパフォーマンスを展開するステージクリエイトプロジェクト、円神-エンジン-。普段は俳優や声優をはじめ、多岐にわたる個人活動も行っている9人組だ。エンターテインメントをカテゴライズしない新たな発想を楽しむ円神が、初の『KCON』で「オリジナリティ」を示した。

 「Peace Summer」は、ともに踊り、歌い出したくなるようなキャッチーなポップチューン。続く「KOTONOHA」では一転、ストーリー性のあるパフォーマンスを演じるかのように見せつける。和風の音色がデジタルサウンドに儚さをもたらし、「日本のパフォーマンス集団である」というアイデンティティを世界に示した。“はじめまして”の挨拶として、これ以上ない2曲を立て続けに披露。観る者を一気に円神の世界観に惹き込んだ。

 MCでは、最年少リーダー・瀧澤翼の安定した仕切りのもと、メンバーはのびのびと個性を発揮する。9人の大所帯ながら全員に万遍なく話題が行き渡り、息の合ったトークで楽しませた。会場の誰ひとりとして置いていかない、それが円神のステージの強みであると感じる。

 続く「Say Your Name」は、声色・ダンスともに豊かな表情を見せるミディアムナンバー。9人だからこその声の厚みが心地よく、そのなかを突き抜けてくる宮里ソルの表現力と、中本大賀の美しい高音ーー個が和を成すグループだからこそのパフォーマンスで圧倒した。ラストの「ENJIN」では、初めて“彼ら自身”の表情、楽曲を演じるのではない表情を見たように思う。大きなステージに立つ喜びと、〈ここから上がるだけ 天下を獲りに行くんだ〉というメッセージ。爽やかだが力強く、どうしてか泣けてくるほど眩しいポジティブなナンバーで、初の『KCON』ステージを締めくくった。

OWV

 3組中、唯一黒を基調とした衣装で登場したOWV。「Our only Way to get Victory」を掲げる彼らもまた、初の『KCON』で世界に「唯一無二」を叩きつけた。韓国のコレオグラフチーム・LOOKが振り付けを手がけた「Roar」、デビュー曲「UBA UBA」と、冒頭から続く激しいダンスナンバーを、彼らはハンドマイクに生歌で勝負する。高難易度の楽曲は、ユニゾンもほぼないに等しく、4人という少人数編成であるからこそ、万が一アラがあれば目立ってしまう。それでも“ライブ感”を重視したパフォーマンスからは、観る者をねじ伏せるような気迫を感じた。苦しい環境のなかでもワンマンライブを積み重ねてきた経験は、きっと彼らの自信を育てている。

 MCでは、OWVらしさ全開のギャップで楽しませた。会場はもちろんオンライン組、KCON-ers、寄せられるメッセージのすべてに気を配る一方、もはやワンマンではお馴染みの本田康祐の拍手芸や、“(浦野)秀太のママ”グローバルデビューなど、QWV(ファンの総称)と分かち合い笑い合える、合言葉のようなトークも織りまぜる。

 10月13日リリースのアルバムからは「PARTY」「CHASER」を披露。歌・ダンスともに安定感のある佐野文哉、“ライブ力”が光る本田、OWVの象徴とも言える浦野のハイトーンに、ボーカル・ラップ面で圧倒的仕事量を誇る中川勝就。4人で成り立つステージ、4人だからこそ完成するパフォーマンス、それがOWVのステージだ。

 そして、本田が挨拶で伝えた「決断」。ライブに来るという決断、来ないという決断ーーそれらを言葉にし、いずれも尊重できる本田は、やはりOWVの、この日集まった3組の“兄貴”だった。最後はマイクを通さず、4人で声を揃えて「OWVでした!」。深々と、噛みしめるように礼をした。

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