香取慎吾は今も「アイドル」を更新し続けるーー変化する時代で変わることのない、皆を笑顔にする温かなエネルギー
確かに改めて考えると不思議だ。フランスのルーブル美術館で個展まで開いたアーティストであり、ファッションブランド「JANTJE_ONTEMBAAR」を生み出したディレクターでもあり、舞台やドラマ・映画などで座長を務めてきた役者でもあり、生放送を仕切ることができる司会者であり、バラエティで笑いを取るコメディアンとしての顔も持つ。だが、やはり「香取慎吾とはどんな人?」という質問には、誰もが歌って踊る「アイドル」だと答えたくなってしまうのはなぜだろうか。
それは、「笑顔になって、イヤなことを一瞬でも忘れられるようなことができればいい。今のために、明日のために、みんなが笑顔になるようなことがしたいんです」という発言にあるように、いつだってその軸がブレないからにほかならない。テレビから少し離れ、活動の場がネットへと移っても、決して変わることはなかったことを、私たちはこの4年の歩みを見て知っている。香取慎吾という人は「アイドル」の概念を常に更新し続けているかのようだ。
そのうえで、Instagramで香取が綴った「変わってしまったもの 変わらなければいけないもの 変わってはいけないもの」という言葉が、じんわりと心に響く。このコロナ禍で多くのことが変わった。もっと言えば、それ以前に香取を取り巻く環境そのものも、あるいは「若者のテレビ離れ」という言葉が聞こえてくるように社会全体にも変化があった。
きっと、この先も多くのものが変わっていくことだろう。それに連動する形で、様々なことが変わらなければならなくなる。それこそ、スポットライトの数や色が変わってきたように。しかし、だからこそ自分自身の「変わってはいけないもの」は何かを知る必要がある。
「アイドルであること。これは、他の誰がというのではなくて、僕自身の選択です」と断言する香取に頼もしさと同時に安心感を覚える。多くのものが変化していく中で、香取慎吾という「アイドル」は、これからも私たちの「慎吾ちゃん」でいてくれる。そのこと自体が、私たちの心に温かなエネルギーとして届く。次はどんな形でみんなを笑顔にしてくれるのか。アイドル・香取慎吾の挑戦を見届けることそのものが、とても楽しみだ。