多くの大人にとってGLAYはいつまでも青春そのものーー“GLAYの日”配信ライブ、新旧織り交ぜた選曲で届けた熱と包容力

“GLAYの日”配信ライブレポ

GLAY(写真=岡田裕介)

 こうしたGLAYらしい、ほっこりとしたやりとりに笑いが堪えきれなかった場面はあったものの、とにかくファンのマナーが素晴らしいライブだった。突き上げる重低音、ツインギターの重厚なサウンド、超絶技巧のドラムプレイ……どれほど音に心を動かされようとも、ファンは決して声を出すことなく、代わりに全力のクラップとハンズアップ、盛大な拍手で応えていた。

 通常のライブではファンとのかけ合いが生まれるはずの場面や、TERUの煽り……それらに応えることができないファンのもどかしさは「みんなもごもごしてるんだよね」というTERUの言葉や、ファンのかわりにマイクをとるTAKUROの姿から「伝わっている」と感じた。すべては、GLAYとファンが築き上げてきた歴史、その中で生まれた信頼関係があるからこそ成せることだ。

GLAY TERU(写真=岡田裕介)
TERU

 「今度は一緒に歌おうね」。TERUは何度もそう言葉にした。予定しているアリーナツアーを指して語った「未来に楽しいことがあってこそ乗り越えていける」という言葉も印象的だった。「いつも通りにはいかないかもしれないけど、今度は一緒に歌おうね」と、優しい声で語りかけるTERUの言葉には、不思議な説得力があった。TERUが言うならばと、信じて飛び込むことができる。ボーカリストの“伝える力”を感じた瞬間だった。

 いくつかの曲を「懐かしい」と表現したメンバーたち。メジャーデビューから27年、そして「これからもずっとGLAYでいるので」と、当たり前のように話す彼ら。コロナ禍のライブもいつか「懐かしいね」と、振り返る日が来るのだろう。4人並んで、笑いながら。

■セットリスト
01. LAYLA
02. グロリアス
03. SOUL LOVE
04. Angelus
05. BLAST
06. BAD APPLE
07. HOWEVER
08. 空が青空であるために
09. BETTY BLUE
10. the other end of the globe
11. 誘惑
12. 彼女の“Modern…”
13. FRIED GREEN TOMATOES
14. ROCK ACADEMIA

<アンコール>
15. GIANT STRONG FAUST SUPER STAR
16. DOPE
17. KISSIN’ NOISE
18. Chelsea

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