香取慎吾、新たに描いた絵「愛Love」に込めた日頃の思い 歩みの中で変わらぬ“先駆者”としての姿

香取慎吾
香取慎吾

 既存の概念が持つ魅力を引き継ぎながら、新しい何かをかけ合わせていく。私たちが長年彼の活躍を通して見てきたのは、いつだってそんな新しい概念を構築していくチャレンジだったように思う。

 歌って踊る“従来のアイドル像”は残しながら、SMAPとしてバラエティやMC、演技……とジャンルレスに活躍する“新しいアイドルの概念”を築いたこともそう。そして新しい地図を広げて以降は「国民的スター」という威厳は保ちながら、SNSの活用方法をNAKAMAに聞いたり、若いクリエイターたちと積極的にコラボしたりと、親しみやすさを感じさせる活動を広げていった。

 また、東京2020パラリンピックに向けて、パラサポスペシャルサポーターを務め、選手たちとの心地よいコミュニケーションを見せてくれたことも、新しい世界を広げる一歩になったように思う。もともと自然に出来上がったように見える道も、最初に一歩ずつ踏み固めた人がいるということを、香取をはじめとした“先駆者”と呼ばれる人たちの歩みを振り返ると実感する。

 そして香取は、「自分が感じたことに正直であろうと思うし、なにか余計なものを付け加えたりはしないようにしたい」と、発信する側としての覚悟を語っている。今を見つめる正直な眼差しに映っているもの、それがこの表紙絵の何かが爆発したような様子なのかもしれない。

 今まさにSNSを中心に、様々な視点で多くの情報が吹き上がっている。この混沌とも言える状況から、何を感じ取るのか。この先、私たちはさらに思考し続けることを求められるだろう。多くの声と向き合いながら、自分の考えはこれだと判断していく力が。

 「根底には『愛を持つ』っていうのが本当に大事だなと思って。絵のタイトルも、最初は『人間愛』っていうのが念頭にあったんですけど、『愛Love』に変えました」と香取が語るように、私たちが何かを難しいと考えるのは、そこに愛が伴っていないと感じるときなのかもしれない。

 一人ひとりへの愛を大切に積み重ねていくことで、きっと社会は少しずつ変わっていく。香取が放つ「愛してまーす」を思い出しながら、まずはこの表紙絵を鑑賞することから始めてみよう。何を感じ取るのか、それは自分の声を愛することから。そしてその愛を隣の人へ、さらには世界へ……と広げていく。そうして、誰もがこの世界を変えていく“先駆者”となって時代を楽しんでいけたらと願ってやまない。

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