May J. 音楽を通してさらけ出したダークな感情 連続配信プロジェクトで発信する誹謗中傷・父親・SNSへの本音

日頃モヤモヤしてることを音楽に昇華できるなんて最高!

ーー篠田さんのトラックから引き出されるメロディに変化は感じますか?

May J.:基本は打ち込みで、大きなストラクチャーがあるトラックではないので、壮大なメロディを乗せる感じではないんですよ。だから、キャッチ―さは大事にしつつも、ちょっとラップっぽいメロディが出てくることも多いかな。サビで同じフレーズを連呼するとか、自分の好みなメロディを作れているのが楽しいですね。

ーー今回のプロジェクトは“DarkPop”と命名されていますが、それをもっとも感じさせるのが歌詞の内容だと思います。かなりインパクトの強い内容になっていますよね。

May J.:そうですね。音も攻めてるから、歌詞でも攻めちゃえと思って(笑)。要は裏のMay J.を表現したかったんですよ。ずっと隠していた感情を思い切って出してしまおうと。日本ってちょっとダークな感情をあまり表には出さない文化があるじゃないですか。“これを言ったら何か言われるだろうな”とか“心配されちゃうかもな”って思うから、つい隠しがちになってしまうっていう。でも海外ではそういうことも包み隠さず音楽にのせますからね。この際、私もやっちゃっていいかもなって思ったんです(笑)。

ーーその決断にも勇気がいりそうですけどね。

May J.:そこはきっとコロナ禍で孤独な時間をたくさん過ごしたことが、いい形で作用した部分はあって。心の中に秘めていた思いを曲として吐き出したことが、自分自身に対してのセラピーになったんですよね。日頃モヤモヤしてることを音楽に昇華できるなんて最高!って思えたので(笑)。

ーー英語が多用されることで、歌詞の意味を若干柔らかく受け取ることができるのもいいバランスのような気がしましたね。

May J.:言ってることはもろストレートなんですけどね(笑)。英語の意味を調べてもらったらすべてが伝わるっていうくらいのイメージでいいのかなっていう気持ちはありました。トラック自体、英語のハマりやすいものになっているので、英語をたくさん使うことに関してはすごく自然な流れでもあったし。個人的な今後の課題としては、いかに日本語を英語のような雰囲気でメロディの乗せられるかっていうところでもあって。

ーー1曲の中で英語と日本語がより違和感なく共存できるように?

May J.:はい。そうすることによって、海外の曲と並んで聴いてもらっても違和感が生まれにくいじゃないですか。今はサブスクで日本の曲も海外の曲も並列に聴かれる時代なので、そこはすごく意識するようにはしていますね。音質なんかに関しても海外の曲はローがすごく効いていたりもするので、そこをミックスの段階でミルくんにいろいろ細かくお願いしています。まぁ、私が言わずとも最高のミックスをしてくれるんですけどね(笑)。

「Rebellious」に込められた父親に対しての「ごめんね」

ーー5月に配信された第1弾楽曲「Rebellious」で幕を開けたプロジェクト、ここまでの反響はいかがですか?

May J.:先行してファンクラブ会員限定で聴いてもらったんですけど、事前にいろいろ伝えておいたんですよ。「これはたぶんみんな好きじゃないと思うよ」みたいな(笑)。

ーーいやいや、そんな予防線を張らなくても(笑)。

May J.:できるだけハードルを下げておいたほうがいいかなと思って(笑)。でもね、実際は「全然心配することないのに。こういう曲を待ってたよ!」って言ってくれた人がたくさんいたんですよね。一方では「ちょっとよくわからないのでもうちょっと聴き込みます」って言う人がいたりとか、「あまり好きではないけど、新曲を作ってくれるのはうれしいです」っていう反応もあったりして。そこはまあ、みんな普段聴いている音楽が違っていると思うので、仕方がないのかなって感じなんですけど。

ーーそういう反応が来るであろうことも理解した上で、ここまで振り切ったプロジェクトをスタートさせたことに大きな意味があると思いますよ。

May J.:そうなんですよね。変にJ-POPに寄せることを考えたりすると、それはもうこのプロジェクトをやる意味自体なくなっちゃうじゃないですか。だから手加減ナシにやってやろうと(笑)。いろんな意見をもらえるのは純粋にうれしいことでもありますけどね。ただ、このスタイルを続けていくことで、みんなに免疫ができたらいいなとは思っています。May J.の持つ側面のひとつとして普通に受け取ってもらえる日がきたらいいなっていう。

ーー新しい表情を強く感じさせつつも、「Rebellious」は比較的これまでのMay J.さんのスタイルに近い雰囲気もありますよね。そこはプロジェクトに対してスムーズに入ってもらうための狙いでもあったんですか?

May J.:あ、伝わっててよかった! まさにそういう狙いはありました。最初からあんまり変わりすぎちゃうと拒否反応が強くなっちゃうかなって。とは言え、絶対に新しいMay J.を感じてもらえるサウンドにはなっていると思っていて。全体的にせつなさがあって、ギターのリフがすごく耳に残るところが好き。トラックを聴いたときに、同じワードを連呼するサビがいいなっていうイメージが浮かんだので、たくさん〈sorry〉って言ってますね(笑)。

ーーこの曲ではお父様への思いがリアルに綴られていますね。

May J.:反抗期の頃の思いと、33歳になった今の自分の思いの両方を込めて書いたんですよね。うちの父親は音楽が好きな人なので、私に対してもすごくうるさかったんですよ。「もっとピアノを練習しなさい」「コードの勉強をしなさい」みたいなことを常に言われていたんです。それが反抗期の私にとってはものすごく苦痛だったんですよ。でもね、大人になってみると、それって私のためを思って言ってくれてたんだなってことに気づく瞬間があって。「いっそ消えてしまえばいい」とすら思っていた昔の自分がいかにダメな人間だったかを痛感するっていう。ほんとに悪いことをしたなって思うので、父に対しての「ごめんね」という気持ちを歌っておきたかったんですよね。自分自身と向き合って言葉を紡いでいく作業はけっこう大変でしたけど、「この曲でリリックのスキルがひとつ上がったんじゃないですか?」ってミルくんに言ってもらえたのがうれしかったです。

May J. 「Rebellious」リリックビデオ

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