aespa、NCT、EXOらSMエンターテインメント所属アーティストの楽曲に登場 「KWANGYA」の謎を紐解く
近頃、SMエンターテインメント所属アーティストの新曲が発表されるたびにK-POPのトレンドワードに上る「KWANGYA」という言葉。「KWANGYAって何?」という疑問が散見されるので、本稿でまとめてみよう。
「KWANGYA」の読みは「クァンヤ」。ハングルでは「광야」で、「荒野」という意味だ。この言葉がSMアーティストの歌詞の中に最初に登場したのは、2020年11月17日にリリースされたガールズグループ・aespa(エスパ)のデビュー曲「Black Mamba」だった。このときはさほど話題にならなかったが、ザワついたのは、その6日後、23日にMVが公開されたNCT Uの「90's Love」(アルバム『NCT The 2nd Album RESONANCE Pt. 2』収録)。YouTubeの公式日本語字幕で「KWANGYAを越えてもっと近くに」と表記されたからだ。aespaの「Black Mamba」MVを見返してみると、こちらも字幕で「君はKWANGYAを彷徨っている」と表記されていたのだ。
「KWANGYA」の謎にぶちあたったファンは、特定作業を開始。するとaespa「Black Mamba」よりも前となる9月25日に公開された、NCTの新プロジェクト・NCT2020の始まりを告げる「NCT 2020 : The Past & Future - Ether」という映像の中に「無意識の海からろ過された波動をクァンヤ(表記はハングル)と呼ぶ」という英語ナレーションと英語字幕が入っていることに気が付いた。「KWANGYA」の出発点はNCTだったのだ。
2021年5月17日リリースのaespa「Next Level」の「KWANGYAへ歩いていく」、6月7日リリースのEXO「Don't fight the feeling」(アルバム『DON'T FIGHT THE FEELING』収録)の「KWANGYAの上を疾走する」という歌詞でどんどんザワつきが大きくなり、日本でもTwitterのK-POPトレンドワードに上った。
特定班は、aespaの「Next Level」MVに出てくる探知機のような機械に「KWANGYA 37° 32' 40.2"N 127° 02' 40.0"E」という謎の文字列が写っているのを発見。座標であると察知し検索すると、SMエンターテインメント(以下、SMエンタ)の新社屋(ソウル市聖水洞)と一致した。
どんどんと深まる「KWANGYA」の謎は、6月29日にオンライン上で行われたSMエンターテインメントグループの『SM Congress 2021』で公表された。
その中でキーとなったのは、「SMCU」(SM Culture Universe)という世界観だ。昨年11月に開催された『2020 韓国・世界華商ビジネスウィーク』でSMエンタの価値とビジョンについての演説を行ったSUPER JUNIORのチェ・シウォンは、「SMCUは、単に象徴やメタファーで解釈される世界観ではなく、魅力的なキャラクターや物語のあるストーリーテリング・コンテンツを通じて、アーティストと音楽を表現するための新しいビジョンであり、プロジェクトです。このSMCUプロジェクトの始まりがガールズグループaespaであり、EXO、Red Velvet、NCTなど複数グループの世界観とストーリーが時にはつながり、新しい物語を繰り広げていくはずです」と語った(※1)。
aespaには仮想世界「FLAT」に“もう一人の自分”であるアバター「æ(アイ)」が存在し、「SYNK(シンク)」しているという設定がある。昨年9月に公開されたSuperM「One (Monster & Infinity)」のMVの最後に、発表前のaespaのロゴが登場していたり、同年10月に公開されたNCT U「Make A Wish」のMVの最後にaespaの「Black Mamba」MVと同じ花を敷き詰めた電車が出てきたりと、別アーティストのコンテンツにさまざまな「SYNK」が見て取れる。
今年5月には10分にもおよぶaespa「ep1. Black Mamba’– SM Culture Universe」を公開。「Black Mamba」(ヘビ)が現実世界とデジタル世界との「SYNK」を妨害するのを防ぐために、aespaが「KWANGYA」に向う姿が描かれており、「FLAT」の向こうにある無規則な無限の領域が「KWANGYA」だという。