奥田民生、サンボマスター、石崎ひゅーいが集結 熱気や余韻も届けたサッポロビールによるオンライン夏フェスレポ

 トリを務めたのは、今年1月に引き続き2度目の出演だった奥田民生。アコギ弾き語りのいわゆる“ひとり股旅”スタイルで、作務衣姿で傍らには黒ラベルとリラックスしたテンション。しかしチューニングしつつ、SE「ブルームーンギャラクティカ」に合わせてサラッとギターを弾く姿からして最高にカッコいい。「1曲目は、サッポロさんのために作った曲です」と、まずは、2012年のサッポロビールCMソング「拳を天につき上げろ」から。失敗、困憊、いっぱい、心配といった押韻を経て〈カンパイ〉に行き着く構成が爽快な1曲で、画面の前でついグラスを掲げてしまった人もいたのではないだろうか。「日本中もしくは世界中の人も観ているかもしれないので、わりと有名な曲も一応やっとかないとなと思っています」とのことで、そのあとはCMソングとしておなじみの「And I Love Car」、今聴くとなお歌詞が沁みる「イージュー★ライダー」と続く。ラストが「手紙」だったのは、〈キラキラキンの 星に願いをかけてる〉という歌詞が七夕の夜に似合うからだろうか。なお、舞台袖ではサンボマスター・山口がかじりつくように観ていたとのこと。全曲終わったあとの「お前、(前に)出過ぎなんだよ」(奥田)、「最後あの曲か! と思って。わーっとなっちゃって」(山口)というやりとりが微笑ましかった。

 「世の中はいろいろ変わるんでしょうけど、やり方はあるんだということを、こっちはずっとやっていきたいと思いますので」と奥田。全員集合トークでイベントが締め括られると、フェスのラストシーンのように、奥田民生「さすらい」をバックにデジタル花火が打ち上げられたのだった。この日の模様は、7月14日23時59分までアーカイブ配信で楽しめるとのこと。この機会にぜひ楽しんでみてはいかがだろうか。

■蜂須賀ちなみ
1992年生まれ。横浜市出身。学生時代に「音楽と人」へ寄稿したことをきっかけに、フリーランスのライターとして活動を開始。「リアルサウンド」「ROCKIN’ON JAPAN」「Skream!」「SPICE」などで執筆中。

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