佐藤結衣の『ラジオdeジャニログ』
Aぇ! group、ラジオでもAぇ!ところ溢れまくり 大事なエピソードも語られた『ANNP』の頼もしさ
関西ジャニーズJr.のAぇ! groupが、6月20日にラジオ『Aぇ! groupのオールナイトニッポンPremium』(ニッポン放送)を完走。彼らにとって、6人揃って初の冠番組ラジオとなったが、「笑いの国関西からやってきました、Aぇ! groupです!」とオープニングからまったく臆することなく、番組を“Aぇ! group”色に染めていく頼もしさを見せた。
「みんなの心の実家。“せいもん”と書いて“まさかど”と読みます。正門良規(まさかど よしのり)です」
「関西の狂犬。末澤誠也(すえざわ せいや)です」
「Aぇ! groupのマスコット兼目印担当。草間リチャード敬太(くさま りちゃーど けいた)です」
「出身は北海道、育ちは沖縄県。これ全部嘘! リーダーの小島健(こじま けん)です」
「現役国公立大学生、インテリジャガーの福本大晴(ふくもと たいせい)です」
「最年少で最多才。佐野晶哉(さの まさや)です」
「リーダー! 嘘ついたらダメでしょ!」(佐野)
「嘘ダメか! じゃあ、わかりました。出身はオーストラリア、育ちはオーストリア、これも全部ウソ~!」(小島)
と、まさかの自己紹介ジングルでリーダー自ら嘘をぶっ込んでくる大胆不敵さ。アイドルのラジオ番組で、自己紹介となれば少しでも自分の情報を覚えてもらいたいもの。しかし、そんなチャンスこそ笑いに変えていく貪欲さ、そして肝の座ったトークスタイルに、Aぇ! groupのバラエティスキルをビシビシと感じる。
加えて、グループの自己紹介を改めてする場面では、まさかのAぇ! groupの「Aぇ! 」のイントネーション迷子になってファンを惑わせる。2019年2月18日に結成したAぇ! group。これまでは関西弁の「ええやん」の「ええ↑」と同じと説明していたのだが、もしかしたら「ええじゃないか」の「ええ↓」のほうが正しいのではないかと、生放送にも関わらずメンバー同士で検証が始まってしまう。かと思えば、「ま、呼んでくれたらなんでも嬉しいですけど」「思春期の男の子じゃないけど名前を呼ばれるだけでキュンとしちゃう」と、笑い飛ばす掴みどころのなさ。
画像やフリップなど視覚的に訴えることができない制限の中で、大喜利企画『NIPPONグランプリ』にも挑戦。判定するスタッフの様子が露骨に見えると爆笑しながら「数撃ちゃ当たる」と答えまくる。ナイスな回答が出れば大きな笑いが起きるのはもちろんのこと、6人いれば1人がツボに入って爆笑していることも。大多数にハマるかハマらないかはあれど、どんなトライも失敗ではない。むしろスタッフにハマらないこともひとつの笑いになる。そんな勢いよく飛び込める懐の深い空気感が、Aぇ! groupには漂っているのが見えた。
その最たる例が、「Aぇチュード」と名付けられたラジオエチュードの時間だ。そのシチュエーションが「桃太郎のオーディション」というのが、もはや即興芝居というより即興コント。佐野が桃太郎となりお供についてくるメンバーを選ぶというストーリーなのだが、もちろんサル・イヌ・キジなんて王道キャラは出てこない。小島はブタに、リチャードはキリギリスに、そして福本、正門、末澤はドラゴントリオと自由すぎる展開に。そんなカオスな状況を受け止めていく“佐野桃太郎”の「(ブタのヒヅメがピースなのは)平和だな。笑顔になれる!」「(キリギリスの特技が逃げると聞いて)逃げちゃうのかー、結局俺ひとりじゃないかー!」のやさしいツッコミがまた笑いを誘う。
そんな笑いに貪欲なAぇ! groupだが、「深Aぇ話」でしっかり締めてくれるところも大きな魅力。メンバーに、先輩に、共演者に、スタッフに……これまで関わってきた全ての人たちへの感謝の気持ちを決して忘れない。一つひとつの出会いやめぐり合わせを大切にしてきたからこそ、6人が今ここにいることを改めて実感する。
末澤が小さい頃から憧れた木村拓哉に会えるというタイミングで、リチャードや佐野が挨拶の練習相手になったという話や、福本がAぇ! groupに入る前にJr.活動と受験勉強を並行して頑張り大学に受かったとき真っ先に正門と末澤が「おめでとう」と言ってくれたのが嬉しかった話など、さりげなくも彼らにとって大事なエピソードが語られじんわりと心を温める。