『love is alive』インタビュー

mihoro*、感情に寄り添う音楽を届けたい理由 メジャーデビューを迎えた20歳の今、飾らない心境を語る

「分かり合えなくても隣にいる関係性」

ーーそして「分かり合えないよ」。これも今のmihoro*さんの核心部分を歌ってる曲なのかなと思いますが。

mihoro*:最後の方に書いた〈始まりが怖いの終わりが来てしまうから〉という部分は普段からよく思っていることです。「この人めっちゃいい人やったな」とか「仲良くなりたいな」とか思ったとしても、自分から行くことはなくて、この人たぶん今日でバイバイやなって思ってしまうんです。すごく仲良い友達と遊んでも、「今日はこの後もう帰るのか」とか、その辺はすごく自分らしいなと思います。

ーー楽しい瞬間を楽しみきれない?

mihoro*:そうですね。「終わっちゃうんだなー」って思っちゃう。高校の時から、そんなふうに思うようになったんですけど、絶対に良くないなと思うんですよね。楽しみきれたほうがいいと思うので、本当にもったいないなって思います。でももう、クセなのかな。異性でも同性でも、「この人のことめっちゃ好きだけど、この人は私のことを嫌いだったらどうしよう」とか考えたら、そんなにグイグイ行けない……。その人も私のことを好きでいてくれてるっていう確証があれば行けるんですけどね。この曲は、「分かり合ってはいないけど、結局いつも側にいてくれるね。だからもう分かり合えなくてもいいんじゃないかな?」っていう意味で歌っています。

ーーなるほど。だからこの曲って否定的には聞こえないですもんね。

mihoro*:なんだかんだずっと隣にいるっていう関係性がいいなと思って。

mihoro*-「分かり合えないよ」MusicVideo

ーータイトルは「分かり合えないよ」なんですけど、実はmihoro*さんの理想の関係性を歌ってるというか。

mihoro*:そうですね。仲良い人は性格が反対だったりするじゃないですか、私が仲良い子も真逆のタイプだし。趣味も頭の良さも違うし、共通点は少ないけどなぜか一番仲良いなっていう。自分でも良くわかんないけど、それってなんかいいよねっていう歌です。

ーーそのふわっとした感情を掬い上げて歌われているのが独特ですし、上手いですね。

mihoro*:ありがとうございます。この曲は割とサラッと作ったんですけど、私はこの曲があまり好きじゃなくて、ミニアルバムに入れる予定ではなかったんです。結構前に作ってスタッフさんに送っていたんですけど、ミニアルバムは6曲入りということが決まった時に、皆さんの入れたい6曲を聞いてみたんです。そしたらスタッフさん全員が「分かり合えないよ」を入れていて、みんながそう言うならいいのかなと思って(笑)。今は好きな曲なんですけど。

ーーなるほど。ちなみに候補曲ってどのくらいあったんですか。

mihoro*:70曲くらい。

ーーそんなにあったのに、スタッフさん全員が「分かり合えないよ」を入れたかったんですね!

mihoro*:そう。私以外、全員です。

ーー信頼できるスタッフさんたちですね。

mihoro*:これで「分かり合えないよ」の人気が全然なかったら皆さんのせいですから(笑)。

「聴いた人が主人公になってくれたら嬉しい」

ーー(笑)。ラストの「ミヤコワスレ」はこれまでの全てを包み込むような癒しのパワーがあります。ドラマ『シェフは名探偵』のエンディングテーマということですが、どのように生まれた曲なんですか。

mihoro*:この曲は初めてのタイアップだったので、まず原作と台本を読みました。「作品に寄せ過ぎても、普段聴いてくださる方たちに届かないかな」「でも自分の曲にしすぎても、せっかくタイアップの話をいただいてるのに違うかな」って悩んで。ちょうどいい塩梅でやりたいなといろいろ考えたんですけど、主人公のシェフみたいな人ってそんなに周りにはいないなって思ったんですよ。ハッキリ言うけど人を傷つけることはせず、なんだかんだ寄り添ってくれる、こういう人いいなと思って。そのレストランに、悩みを抱えていたり毎日頑張っている方が食べにくるという感じだったので、毎日頑張ってる方に届いて欲しいというシェフ目線と、お客さんの目線で応援ソングを作ろうと思ったんですけど、私、そもそも応援ソングが嫌いで……。「頑張れ!」とか言われたくないし、今まで1曲も作ってこなかったんです。なので、そういう言葉は使わないけど、「明日からも頑張ろうかな」と思える曲にしたいなと思って作りました。聴いてくれる人が主人公になってくれたら嬉しいです。

ーーmihoro*さんにとっての応援ソングを初めて作られたんですね。

mihoro*:はい、みんな頑張ってると思うんで。誰かが「頑張ってるね」って言ってくれなくても、あなたは頑張ってるから大丈夫だよって言いたかったんです。今までは書かなかったタイプの曲ですね。

mihoro*-「ミヤコワスレ」MusicVideo(ドラマver.)

ーーそんな今作のタイトルは『love is alive』ですが、「愛は生きている」という言葉に込めた想いは?

mihoro*:最初から「alive」という言葉はつけたかったんです。ライブが本当に好きという気持ちや、恋愛の曲を歌ってることもあるし。私、お客さんに「愛してねー!」ってよく言うんですよ。「好きだよ」よりもちょっと重い感じじゃないですか。その感じが上手く伝わるのが『love is alive』だなと思っています。

ーー「愛してねー!」っていいですね。

mihoro*:ちゃんと曲が届いて欲しいんで。自分でも変だなと思うんですけど、「聴いてねー!」って言う方が恥ずかしいんです(笑)。普通は「愛してねー!」の方が恥ずかしいですよね。

ーー照れ隠しで「愛してねー!」なんですね(笑)。でもmihoro*さんの曲って、孤独や恋愛の不安を歌っていても、すごく人懐っこさを感じるので、そこがチャームポイントだなと思います。

mihoro*:音楽について詳しくは全然知らないんですけど、聴いてる人が「これ、私のことかも!」って思える曲があればいいな。私は公言しないですけど、ある曲とある曲が実は繋がっていたりとか、気づいてくれる人がいると「愛してくれているんだな」と思うから、わかる人にはわかるみたいなポイントを勝手にどんどん入れてるんですよ。SNSにYouTubeのリンクを貼って、Twitterで「どこかに弾き語りのリンクを貼ったから見つけてね」って書いたり(笑)。ファンの人は優しいから見つけても言わないんですけど、いまだにDMで「リンクをどこに貼ったかそろそろ教えてください」みたいに送ってくる方もいます。絶対教えないんですけど(笑)。

ーー独特なコミュニケーションですね(笑)。これからどんな音楽活動をしていきたいですか。

mihoro*:好きなことなので、ずっと続けていたいなって思います。自分が好きな曲を永遠に書いて、みんなにハマって染まってもらいたい。ライブが一番好きなので、今なかなかできなくて悔しいですけど、またライブでみんなの顔が見られることがたくさんあると嬉しいです。メジャーでの活動がどんなものになるのかまだわからないですが、これから活動の幅が広がっていくといいなと思っています。

■リリース情報
mihoro*『love is alive』
2021年6月23日(水)リリース
・初回限定盤(CD+DVD)¥3,080(税込)
・通常盤(CD)¥1,980(税込)

<収録曲>
会いたいなんて言わせないで
孤月
馬鹿な女
いやいや
分かり合えないよ
ミヤコワスレ

<初回限定盤特典>
1.『Re:』リリースワンマン『破釜沈船』ライブ
電車に乗って
ロックバンドと貴方
さよなら最愛の人
コドモノママデ

会いたいなんて言わせないで
2.『Re:』リリースワンマン『破釜沈船』オフショット
3.「分かり合えないよ」ミュージックビデオ
4.「分かり合えないよ」メイキング
5. おまけ ジェンガでライナーノーツ

■関連リンク
公式サイト
mihoro* staff Twitter:https://twitter.com/mihoro_staff
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