Ado、花譜、あぶらこぶ、未完成モノローグ……個人の才能で常識を打ち砕く“10代アーティスト”の力
「うっせぇわ」で一躍有名になったAdo、1stワンマンライブで世界トレンド1位を獲得した花譜など、正体を明かさないまま爆発的な人気を獲得する10代アーティストの活躍がめざましい。彼らはどこから出現し、どのように名を馳せていったのだろうか。
Ado
まずは言わずと知れた存在となったAdo。ニコニコ動画に投稿する歌い手として活動を始め、フィーチャリングで参加したjon-YAKITORYの「シカバネーゼ」がSpotifyの国内バイラルチャート1位獲得。満を持して2020年10月に配信リリースされたデビュー曲「うっせぇわ」で瞬く間に時の人となった。サビで〈うっせぇわ〉と繰り返す曲自体のパンチ力もさることながら、曲に込められた怒りや敵意を何倍にも引き出すようなAdoの感情を剝き出しにするような歌声で多くの人の心を掴んだ。それ以降も、「レディメイド」、「ギラギラ」、「踊」と、立て続けに発表されたオリジナル曲でもAdoの表現力が存分に発揮されており、全てYouTubeで2000万再生を突破している。
あぶらこぶ
iPhoneの音楽制作アプリ「GarageBand」ですべての楽曲制作を行い、自身を「がれーじばんだー」と称するのは、現役高校生シンガーのあぶらこぶ。繊細な歌詞とメロディアスなサウンドの自作楽曲をSNSやYouTubeに公開しているうちに同世代リスナーから支持を獲得。今年3月には初の全国流通盤アルバム『navel』をリリースした。自然や季節をモチーフに、独特で抽象的な言葉選びで歌詞を紡ぐあぶらこぶ。みんなが同じ受け取り方をする歌詞ではなく、聴く人の経験によって違ったことを感じるようなことを大事にしたいというその楽曲は、多くの人の感情のひだを掬い上げるような繊細さがあり、ネクストブレイク目前だ。