BTS、「Butter」MVが最速2億回再生突破 繰り返し見たくなる仕掛けとは

 新曲リリースのたびに大きな記録を作っていく、今や世界的アーティストとなったBTS。彼らの新曲「Butter」が、また自身の持つ記録を塗り替えることとなった。

 5月21日13時に「Butter」のMVが公開されると、なんと5月25日14時過ぎには再生数が2億回を突破。「Dynamite」での同記録達成より11時間ほど早く2億回を超えた。また今回「Dynamite」に続いてYouTubeの歴代24時間最多再生数の記録も更新し、1億820万再生という驚きの数値でBTSが1、2位を独占したということも明らかになった。

BTS (방탄소년단) 'Butter' Official MV
BTS「Butter」

 世界中のたくさんのファンが再生しているというのはもちろんだが、何よりも、1回見ただけでは終わらないのがBTSのMVの持ち味なのではないだろうか。どうして私たちは彼らのMVを短時間で何度も見てしまうのか。何に魅了されて見入ってしまうのだろうか。

 ARMY(=ファン)によって毎回行われる“考察”が存在することからわかるように、MVに隠されたメッセージがその大きな要因のひとつと言えるだろう。

 今回でいえば、一番盛り上がったのは「数字」の考察ではないだろうか。曲がBメロに差し掛かりJINの歌声に切り替わった0:28あたりで、マグショットのようなシーンが登場。彼らがそれぞれの手に持っているボードに書かれた数字に、何の意味があるのかと話題になった。さまざまな憶測が飛び交う中、リリース日にV LIVEにて配信されたカムバック記念の生放送でその真相が明らかに。

 RMの「201904」はグラミーにノミネートされた日と以前住んでいたアパートの番号から。J-HOPEは「660660」。これは韓国のポケベルで“ポッポ(キス)”と伝えるときの数字だ。JIMINは初めてコンサートを行った日付の「141018」、Vは“1位を獲る”という気持ちで「000001」にしたという。そして「110604」はJUNG KOOKがソウルに上京してきた日だと明かした。それぞれ自分にとって大切な数字の並びのようだ。一方でJINとSUGAは適当に打ったランダムな数字だという。もしかしたら本当は何か意味があるのかもしれないが、そうしたところも含め年長組2人の性格が垣間見えておもしろく思える。

 パッと見ただの数字でしかないこうした一瞬の演出をARMYが深読みしようとするのは、これが今回に限った話では無いからだ。 BU(BTS Universe)と呼ばれる独自のストーリーが彼らの作品の世界には存在していて、『花様年華』や『WINGS』、最近でいえば『MAP OF THE SOUL』などそれぞれのアルバムやシリーズ作が物語としての繋がりを持っているのである。

 これを表現して、物語を解く鍵が散りばめられているのがMVだ。神話や哲学などさまざまなものを参考に構築されているストーリーを、ファンはともに学びながら、MVから読み解いていく。そんな奥深さを持ったこれまでのMVがあったからこそ、少しの謎でも“何かのメッセージだ!”と感じてそれを紐解きたくなってしまうのだ。

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