三代目J SOUL BROTHERS メンバー分析【入門編】Vol.7:岩田剛典
三代目 J SOUL BROTHERS 岩田剛典、ダンス&演技の両面で魅せる表現力 “冷静と天然”を兼ね備えたグループの顔役
幼少期から学業に力を入れてきた両親は、岩田の予想外の選択に猛反対したそうだが、2010年9月18日、『EXILE LIVE TOUR 2010 FANTASY』の神戸公演のリハーサル時にメンバーに決定したことを告げられると、芸能界入りを決意。現在の7人が集結した三代目 J SOUL BROTHERSは、2010年11月10日、『EXILE presents VOCAL BATTLE AUDITION 2 ~夢を持った若者達へ~』の課題曲「Best Friend's Girl」でメジャーデビューを果たした。さらに2014年には『EXILE PERFORMER BATTLE AUDITION』にも挑戦し、4月27日、日本武道館で行われた最終決戦でEXILE第四章の新メンバーに決定。三代目 J SOUL BROTHERS も、2014年6月25に発売されたシングル『R.Y.U.S.E.I.』が大ヒットし、国民的グループへと進化を遂げた。
個人活動も順調で、2013年に舞台『あたっくNo.1』でスタートさせた俳優活動においても、2014年頃からは映像作品に多数出演するように。爽やかな王子様路線にイメージチェンジしたことでますます大人気となり、現在は役の幅も大きく広がって、最年少メンバーながらも“三代目 J SOUL BROTHERSの顔”としてグループを引っ張る存在となった。2015年のインタビューで「まだ25年しか生きていませんが、この5年はほんと波乱万丈で、めっちゃ濃い5年間でした」(※6)と語っているように、一般の大学生だった岩田は、本来の堅実な性格を武器に、短期間でスターダムを駆け上がっていったのだ。
アマチュア時代から、KRUMPに特化したダンスチーム Twiggz Famに所属していたように、得意とするダンスジャンルはKRUMP。もともとはストリートでの抗争や暴力を止めるため、それに代わるものとして生まれたダンスであり、足を踏み鳴らす“ストンプ”、胸を突き出す“チェストポップ”、力いっぱい腕を振り下ろす“アームスイング”といった、身体を大きく見せて挑発するような動作が特徴だ。現在はEXILE AKIRAや小林直己などが所属する®AG POUNDのメンバーとしても活動しており、その実力はKRUMPの創始者 Tight Eyezらに認められ、STREET KINGDOM JAPANのメンバーに選ばれるほど。爽やかなビジュアルが定着した今となっては、荒々しいKRUMPとのギャップも大きな魅力と言えるだろう。加えて、三代目 J SOUL BROTHERSには切ないラブバラードやコミカルなダンスチューンなど、さまざまなテイストの楽曲があるが、演技経験の多い岩田は、セルフプロデュース力や歌詞に沿った感情を体で伝える能力が抜群。時には美しい筋肉を見せつけながら、時には満面の笑みを浮かべながら、時には熱っぽい視線を送りながら……。次々に“違う岩田剛典”を登場させては、ファンを翻弄している。
「僕は本名で芸能活動をしていますが、本来の自分は、岩田剛典という商品を客観的に見ているというスタンスなんです」(※7)と語るように、冷静で真面目な印象の彼の素顔は、メンバー曰く“天然”。仕事の面ではストイックな部分がフィーチャーされがちだが、気を許した人の前ではわりと抜けているタイプ。リハーサル着のポケットを裏返しにしたまま履いていたり、寝癖を帽子でごまかして外出したりと、プライベートでの無頓着エピソードは尽きない。ちなみに、「自分では割としっかりしてる方だと思っているんですけど…。三代目のメンバーは付き合いが長くて、仕事しているときの自分とプライベートの自分、全部見ているからかな?」(※8)と自己分析しているが、ライブ中にも天然な一面を発揮しているので、きっと天然だと思う。だが、デビュー当初、年上メンバーの陰で遠慮がちに周りを窺っていた岩田が、10年以上経った今、ここまでのびのびと過ごせていることはグループにとって良い変化であり、三代目 J SOUL BROTHERSの絆を証明するもの。どんな努力も、不安も、悔しさも、最高の仲間が一緒なら“かけがえのない青春”になるということを、岩田剛典の眩しい笑顔が伝えている。
※記事初出時、一部記述に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。
■斉藤碧
エンタメ系ライター。
ダンス&ヴォーカルグループ、アイドル、ロック、ヴィジュアル系、俳優などジャンルレスで執筆中。V系雑誌「Stuppy」では編集も担当。
Twitter(@stmdr38)
※1、3:https://www.asahi.com/edua/article/12774154
※2:https://thetv.jp/news/detail/1018817/
※4:http://www.team2020.jp/_ct/16852168
※5:https://hochi.news/articles/20201127-OHT1T50152.html
※6:http://www.team2020.jp/_ct/16852168
※7:https://www.bookbang.jp/review/article/668877
※8:https://mdpr.jp/interview/detail/1760000