『毅の“カタリタガリ”』第4回

SUPER★DRAGON 古川毅、影響を受けた2010年代以降の洋楽を語りまくる 表現のインプットとなった3組

■Rina Sawayama

 今いちばん影響を受けているアーティストと言っても過言ではありません。新潟県で日本人/アジア人として生まれてからすぐにイギリスへ渡ったことや、LGBTQであることなど、ご自身のバックグラウンドから見出した自分らしさをもって人種やセクシャルマイノリティにまつわる社会問題にも接続されている方。僕にも僕なりの環境があって、第1回目のときにも話したように、まだまだ未熟ではありますがステレオタイプと戦ってきた自負はあります。そういうことを話すと「今っぽいね」と言われることもあるんですけど、そうじゃないんです。いつの時代にも問題はあってアップデートは必要。生きていくなかで本来当たり前に必要な優しさや愛情について、素直な気持ちで学び考えながら発信し続けていくことが大切なんだと、Rina さんの姿勢から感じました。

 サウンド面もほんとうに素晴らしい。最新のアルバム『XS』からの先行曲で、ミクスチャーロックを結成当初の起点にしていたSUPER★DRAGONのメンバーならおのずと耳が立つ「STFU!」、ハウス/ディスコにアプローチしながら日本発の世界的なブランド名をタイトルに冠しファッション文化にも敬意を表した「Comme des Garçons(Like The Boys)」を最初に聴いた時は衝撃的でした。そこからアルバムではエレクトロあり、R&B/ヒップホップあり、J-POPの要素を感じる曲もあってとにかく多彩。1枚のアルバムを通してさまざまなジャンルの音楽性を打ち出している作品は、特にソロアーティストや僕らのような複数の作家さんが曲を提供してくださるアイドルグループだと珍しいことではないんですけど、Rinaさんは意図的にそうしたわけではないと思うんです。そもそもいろんな音楽が好きだというスタンスも含めた人間性という一本の筋が、新しいノーマルを示していると僕は解釈していて、そこに感銘を受けています。

 なかでも特に好きな曲は「Bad Friend」。1番に注目してもらいたいんですけど、多くのJ-POPに当てはめると、AメロとBメロがあってサビにあたる部分が上がらずにスッと音が抜けて、ボーカルを重ねたハーモニーだけのアレンジになるんです。これはSUPER★DRAGONでもやってみたいって、メンバーと話していました。かつての親友との距離感や親密だからこその後ろめたさを歌った歌詞も好きで、Rinaさん自身が男性に扮したミュージックビデオもかっこいいんですよね。

Rina Sawayama - Bad Friend (Official Video)

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