TOMORROW X TOGETHER、ITZYからENHYPENまで……K-POP第4世代の傾向を整理
K-POP第4世代と呼ばれるアイドルの活躍が目立っている。K-POPシーンには、第1世代、第2世代、第3世代と呼ばれる時代があり、今日に至るまで中心的存在として築き上げてきた。第1世代と呼ばれたH.O.T.やS.E.S.、Sechs Kiesや神話といったグループが活躍した1990年代後半からは実に25年が経とうとしているが、現在の第4世代ではどんな魅力に注目が集まっているのか。本稿では、そのポイントと今後のアイドルが抱える課題について整理する。
まず、第4世代として言及されることが多いのは、ヒットアーティストを数多く輩出してきた大手芸能事務所の期待の新人たちである。これは、これまで業界を代表するアイドルを生み続けてきた事務所が、今後もK-POPを牽引していくと予測されているから他ならない。また、K-POPのグローバルな人気を固めてきた先輩達の影響で、第4世代のグループはデビュー当初からワールドワイドなファン層が多い。そのため、グローバルなルーツを持つメンバーも今では珍しくなく、各グループに英語を話せる担当がいるのが当たり前になってきている。加えて、活動の拠点となることが多い日本をはじめとするアジアの言語も習得することが必要とされている。ステージスキル以外でのハイスペックさも求められるようになったと言えるだろう。さらに、オーディション番組の存在も定着してきた。これまでもオーディション番組は存在してきたものの、それはあくまでもファンの中で盛り上がる程度に過ぎなかった。しかし、『PRODUCE 101』シリーズをはじめとする番組が社会現象を巻き起こしたことが、K-POPシーン全体に影響を与えた。実際、これから紹介する第4世代のK-POPアイドルの代表格の半分以上がオーディション番組出身であり、練習生時代からの知名度もある程度あったのである。アイドル達にとっては“完璧さ”が求められることに変わりはないが、努力の過程や葛藤も赤裸々に見せることでより支持されるようになった。
そんな第4世代の“ホットアイコン“と呼ばれているのが、オーディション番組『I-LAND』出身のENHYPENだ。番組の放送当初から、“BTSの弟分”がファン投票で決まるとのことで注目を集めていた(所属はMnetを運営するCJ ENMとBTSが在籍するHYBEの合弁法人・BELIFT LAB)。ENHYPENはまだ、2作品しか発売していていないが、その存在感はかなり大きい。というのも、デビュー早々に新人賞を獲得しているという実績はもちろん、カリスマ性と等身大の姿を見せるコンセプトで、ENHYPENというグループの世界観を十分に表現しているからだ。
また、同じく『YG宝石箱』というオーディション番組からデビューした12人グループのTREASUREも注目を集め続けるボーイズグループの一つだ。所属するYGエンターテインメントは、タレントのアーティスト性がとても色濃く出る個性派揃いなだけに、K-POPでも象徴的になってきた群舞でのパフォーマンスに挑戦する方針は意外だっただろう。しかし、大手事務所での練習生期間を経ただけに一人一人のレベルが高く、パフォーマンスには釘付けになる。一方で、メンバーはすでに楽曲制作にも参加しているなど、若いながらも才色兼備な魅力で、一目置かれる存在になっている。
さらには、すでに人気を確立していると言えるJYPエンターテインメントのStray Kidsもオーディション番組出身であり、第4世代の代表との呼び声も高い。Stray Kidsのメンバーの音楽スキルの高さには定評があり、王道のK-POP的サウンドに加え、流行の最先端を表現するようなキャッチーなテーマでファンを魅了してきた。デビューグループが競い合うサバイバル番組『KINGDOM: LEGENDARY WAR』(Mnet)でも、パフォーマンスでは一際大きな注目を集めている。TWICEの弟分として愛されていながらも、肉食的なイメージで、多くの人気を得ている。