SHINeeカムバック、ONFの躍進、TREASURE日本進出……K-POPボーイズグループの熱き闘い
K-POPといえば、昨年からずっとBTSのトピックが目立っていた。「Dynamite」と「Life Goes On」が米ビルボード・ホット100で1位に輝き、第63回グラミー賞の最優秀ポップデュオ/グループパフォーマンス部門に「Dynamite」がノミネートされるなど、ワールドワイドな活躍ぶりからすれば当然ではある。とはいえ、2021年はBTS以外のボーイズグループも気になる動きがあり、より広くチェックする必要がありそうだ。
今年初めの韓国のヒットチャートをながめると、たくさんのソロシンガーが活躍していることに気付く。アコースティックポップ系のキョンソや、ベテランの域に入ったIU(アイユー)などの曲が上位にランクインされる中、BTS「Dynamite」もロングランでヒットしている状況がしばらく続いていたが、その構図を壊すかのように食い込んできたのが、SHINee(シャイニー)とONF(オンエンオフ)である。
SHINeeは、約2年6カ月ぶりのアルバムのリードトラック「Don't Call Me」が大ヒット。キレのいいパフォーマンスと高品質なサウンドメイクは以前よりもパワーアップしており、想像以上の仕上がりだ。かつての恋人に対して「ほっといてくれないか」「消えてくれ、あっちに」と冷たく言い放つクールなダンスポップで、歌詞の中に「既存の枠の中に入れられたくない」というメンバーたちの願いも込めているようにも見える。
もう1組のONFは、古き良き時代のディスコミュージックを取り入れた「Beautiful Beautiful」がリリース直後にiTunesチャートなどでベスト10内にランクインを果たした。ジャンルとしてはファンキーハウスに入るサウンドで、キャッチーなスキャットとコーラスが耳を引く。彼らの主な曲を手掛けているのは、音楽制作チーム・MonoTree(モノトゥリー)に所属するファンヒョン。何よりもメロディとアレンジを大切にすることで知られるプロデューサーだが、今回はBTSの「Dynamite」と似たサウンドコンセプトにした点が興味深い。
チャートを揺るがすほどではないが、ベテランの4人組・SECHSKIES(ジェクスキス)のシングル「振り向かないで」が同時期にスマッシュヒットしたことも楽曲派のK-POPファンなら押さえておくべきだろう。バラエティ番組がきっかけで生まれた企画モノではあるが、デビューして四半世紀近く経つアイドルがあえてシンプルなバラードで勝負するのは自信があるからこそ。数々の偉業を成し遂げた先輩の堂々とした姿に刺激を受ける後進は多いはずだ。
SECHSKIESと同じくK-POP史に大きな足跡を残すEXO(エクソ)は、完全体での活動は望めなくとも、レコーディングした音源などを通じて2021年も話題を振りまきそうだ。4月上旬にニューアルバムに関連したスポイラー映像をアップ。まもなく入隊するメンバーのベクヒョンが先日リリースしたソロ作『Bambi』のハイクオリティな仕上がりに感動した者としては、EXOの新作にも期待せざるを得ない。
2017年から活動を休止していた2PMは、韓国人メンバー全員が兵役を終えた。そのうちのひとり、テギョンは雑誌の取材に対して「今年カムバックできるかどうかは未定ですが、計画はしています」と語っており、完全体での復活が待ち望まれる(※1)。