BiSHメンバー分析第1回:アイナ・ジ・エンド、表現者&作り手として開花する才能

 6人組の“楽器を持たないパンクバンド”BiSH。彼女たちのパフォーマンスには、よく“エモい”という評価が付く。もちろん、メンバーの誰もがその立役者だ。ただ、その“エモさ”を背負っているのが、グループで振り付けを担当するアイナ・ジ・エンドだと思える瞬間もある。

ダンスが好きだった少女は17歳で“歌”に目覚める

アイナ・ジ・エンド『THE END』(アルバムCD2枚組)

 結成当時からの歴史を知る、オリジナルメンバーのアイナ。しゃがれ気味のハスキーボイスは、一度聴けば記憶に強く焼き付くほど印象的だ。

 メジャデビュー後、2枚目にリリースしたシングル曲「プロミスザスター」でのボーカルを聴くと、その特徴がよく分かる。この曲は、声帯結節での活動休止を余儀なくされた彼女の復帰作という逸話もある。

 アイナは元々、ボーカリストを目指していたわけではなかった。4歳でダンスの楽しさに目覚めた彼女は、高校時代まで友人と踊り続けていた。転機が訪れたのは、17歳。友人から歌声を褒められた彼女は、歌の楽しさに気が付き始める。

 その後、頼るあてもなく高校卒業後に上京。渋谷のライブハウス・club asiaで初ステージを踏んだ彼女は、会場のチケットノルマを背負いながら、手弁当で毎月のようにライブを開催。売れない日々に悩みながら、たどり着いたのがBiSHのオーディションだった。

 その際、歌唱審査でアカペラで歌い上げたのが、全曲で作詞作曲を手がけたソロ1stアルバム『THE END』に収録の「スイカ」である。グループに加入する前から、彼女が大切にしていた1曲。アイナがみずから手がけた自作MVも、いまだYouTube上に残っている。

スイカ/アイナ

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