7th Single『EXIST』インタビュー

RAISE A SUILENは『バンドリ!』と音楽シーンを繋ぐ存在に? ロックバンドとして見据える未来

 RAISE A SUILENが、7thシングル『EXIST』を4月21日にリリースする。同作には、アニメ『擾乱 THE PRINCESS OF SNOW AND BLOOD』のOP曲「EXIST」とED曲「Embrace of light」、そしてスマートフォン向けゲーム『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』にて2021年2月に配信された「OUTSIDER RODEO」を収録。アニメに寄り添いながらも、これまでにはないバンドサウンドを探求する彼女たちが、もう一段高いステップを踏んだ挑戦の一枚となった。

 昨年よりコンスタントに作品をリリースし、ロックバンドとして順風満帆な道を行くRAISE A SUILENは、『EXIST』で描かれた表裏一体の世界をどのように表現したのか、そして初となる東名阪Zeppツアーに向けての意気込みとは……アニメ発のバンドプロジェクトという枠組みを壊しにかかるRAISE A SUILENの現在について話を聞いた。(編集部)【最終ページにプレゼント情報あり】

「アニメシーンの中でもRASみたいなバンドはいない」(小原)

RAISE A SUILEN(左から倉知 玲鳳(パレオ/Key) 、夏芽(マスキング/Dr) 、Raychell(レイヤ/Ba/Vo)、紡木 吏佐(チュチュ/DJ) 小原 莉子(ロック/Gt))

ーーRAISE A SUILEN(以下、RAS)は昨年の1stアルバム『ERA』以降、いいペースで新作リリースが続いていますよね。

Raychell:そうですね。ありがたいことに、8月にアルバムをリリースして、そのあとに『Sacred world』(2020年10月発売)、『mind of Prominence』(2021年1月発売)があって、4月に『EXIST』ですから。正直な話、私はソロで活動させてもらっていたとき、こんなペースでリリースしたことがなかったのでびっくりしています。これって当たり前のことじゃないですし。でも、『BanG Dream!』プロジェクトの中では毎月どこかのバンドさんがリリースしているので、本当にこの環境だからこそだと思っています。

ーーと同時に、それだけRASのことを求めてくださる方がいることの表れでもあるのかなとも思うんです。

小原莉子(以下、小原):私たちはTHE THIRD(仮)というバックバンドからのスタートでしたので、やはり私たちだけの力じゃここまで来られなかったと思います。特にRASという名前をいただいてメンバーが揃って、オリジナル曲をいただいてから評価してくださるファンの方が増えた気がするので、オリジナル曲を出せるようになったのは大きな転機でしたね。

ーー紡木さん加入と同時にRAISE A SUILENという名前が正式に決まり、そこから間もなく3年経とうとしています。

Raychell:7月でね。

紡木吏佐(以下、紡木):やだ、早ぇえですねえ(笑)。びっくりします。

Raychell:だって、莉子ちゃんもTHE THIRD(仮)に加入して、この3月で3年経ったし。

小原:あ、そっか。ここ(小原加入から紡木加入まで)の間は短かったですものね。

夏芽:あっという間だ。

紡木:それこそ当時はオリジナル曲も「R・I・O・T」や「UNSTOPPABLE」ぐらいで、カバー曲中心でライブをやらせていただいていたのに、今やライブのセトリが全部オリジナル曲でできちゃうところまで来させていただけたのが、本当にハピネスで。月日を感じております。

小原:意外と最近ですよね、全部オリジナル曲だけになったのは。

ーーこのRASというバンドの何がリスナーの心を惹きつけているのか、求められている理由を皆さん自身はどう分析しますか?

倉知玲鳳(以下、倉知):みんなで一緒に盛り上がれるサウンドがRASの強みであり、私自身も好きなところでもあります。ヘドバンとかツーステップとか、そういうアクションをしやすい楽曲が多いですし、それこそライブではつむつむ(紡木)が扇動してくれるから、知らない曲があってもその場で体を動かして楽しむことができますしね。

夏芽:確かにそういうパフォーマンスとか、(可愛らしい口調で)「なんとかで〜」みたいな容姿の子たちが一見やりそうにないじゃないですか(笑)。

紡木:ん、それは誰だ?

倉知:今、審議が入りましたよ(笑)。

夏芽:(笑)。と、まあそれくらい可愛い子たちが頭を振り乱したりツーステをしたり、そのギャップも魅力なんじゃないかな。私にとってこのメンバー5人は唯一無二の存在で、一見個性もバラバラだけど、集まったときの瞬発力と爆発力が本当にすごくて、その絶妙に噛み合って心にスッと入っていけるところにも惹きつけられているんじゃないかと思います。

Raychell:私はもともと『BanG Dream!』プロジェクトや『BanG Dream!』サウンドが好きだし、個人的にもRASのサウンドが好きで。今日も先日の配信ライブ映像を見返していたんですけど、本当にみんなカッコいいんです。夏芽が言ったように、それぞれの個性は全然違うけど、ライブになったときに生まれるパワーや髪を振り乱して演奏しているその姿が魅力的だと思うし。あとは、これはバンドが始まったときから円陣を組むときに言っているんですけど、「私たちらしく、全力で届けていこうね」って。その「全力で」という気持ちがきっと、バンドリーマーさん(※『BanG Dream!』ファンの総称)や観てくださっている方に届いているからこそ、こんなにも受け入れてもらえているのかなと思いますね。

紡木:私はRASのことを、“びっくり箱”だなと思っていて。いちメンバーなんですけども、一緒にやっていて「そんなことしちゃう?」「そんな見せ方があるの?」と毎回いちファンとして楽しめちゃうところがすごくいいなと思っているんです。それこそ、ライブになるとチェルさん(Raychell)はCDの歌い方とは違ったライブ仕様の歌い回しになっていて、私もすごく高まりますし。おりこさん(小原莉子)の場合は、ギターを弾いているときに床に倒れ込んでそのまま弾いていて。それを観てお客さんが喜んでくださっているところを目にすると、すごく素敵だなと思うんです。夏芽さんのドラムも常に“バカスカドン!”なんですけども……。

Raychell:“バカスカドン!”

倉知:よかった、チェルさんが突っ込んでくれて(笑)。

紡木:あの……ノンストップドラム?

夏芽:そういう意味だったの?(笑)

紡木:本当に熱く叩き続けているんですけども、カメラに抜かれたときにパッとスティックをくるくる回したり、そういうパフォーマンスも素敵だなと思っていて。で、玲鳳ちゃんの場合は……私、彼女が怖いんですよ(笑)。

倉知:えっ?(笑)

紡木:RASの名物なんですけど、背面でキーボードを弾いたり足を天高く上げたり、見せ方の努力がすごいなと尊敬しています。そういうメンバーが揃ってしまったら、そりゃあ素敵だよなと私は思っています。

小原:アニメシーンの中でもRASみたいなバンドはいなかったと思うし、アニソンという枠の中でもEDMを使ったサウンドはあったけど、それをバンドサウンドで表現する人たちはいなかったと思うんです。かつ、今までバンドもののアニメ作品はあったけど、実際にプロでバンドを経験してきた人たちがメンバーに加わって、アフレコにも挑戦した作品はなかったんじゃないかな。そういう今までにない色がRASの強みであり、いろんな人を惹きつけているんじゃないかと思います。

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